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首都圏に比べ個人特定につながりやすい…青森県、感染者の職業を非公表に

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 新型コロナウイルスの感染者情報の公表基準を巡り、青森県はこれまで公表してきた職業を今月、原則非公表に変更した。感染者が特定されて中傷されることを避けるための措置だが、有識者からは感染状況に合わせた柔軟な運用をすべきだとの指摘も出ている。

■法令で義務づけ

 県がまとめた基準によると、公表するのは〈1〉年代〈2〉性別〈3〉居住地〈4〉2週間前からの陽性者との接触の有無〈5〉2週間前からの県外移動の有無。性別は本人の同意が得られなければ公表しないほか、居住地は保健所管内別での発表とし、市町村名は伏せる。

 職業については、「感染拡大防止に関係がない」として非公表とした。ただ、勤務中に不特定多数と接する機会の多い場合には、必要に応じて公表する。

 感染症法は、都道府県知事に対し、発生状況や予防に必要な情報を積極的に公表することを義務づけている。一方、公表の際には「個人情報の保護に留意しなければならない」と定める。

■特定や中傷懸念

 新型コロナを巡っては、感染者を割り出した上で激しく中傷するケースが全国で相次いでいる。

 県内の感染者数は、18日時点で35人と、全国的に見ても少ない。

 職業を原則非公表に変更した理由について、県健康福祉部の 有賀あるが 玲子部長は「県内は首都圏に比べて個人の特定につながりやすく、情報の出し方には悩む点も多い」と説明する。県は状況に応じて、今後も公表基準を見直す方針だ。

 ただ、職業や市町村名を公表している隣県、岩手県の担当者は「情報が少なすぎると臆測を呼び、無関係の人が非難の対象になる恐れもある。情報を絞るだけでなく啓発活動も同時に取り組む必要がある」と説明する。

 プライバシーに詳しい岡村久道弁護士は、感染者の保護を重視する県の対応に理解を示す一方、「感染者が増加した場面では、積極的に情報を公開するなど、状況に合わせて運用を見直す必要がある」と指摘している。

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