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がん患者団体のリレー活動報告

医療・健康・介護のコラム

NPO法人 つながりひろば

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 国民の2人に1人が、生涯のうち「がん」と診断される時代。一般社会の中で、がんは身近な病気です。がんと向き合う患者たちは、「家族にも話せない」「先生から治療に使える薬はもうないと言われた」など、様々な悩みを抱えています。このような時、患者や家族がゆっくり話し合える「場」はあるのでしょうか。私たち「つながりひろば」は、大阪国際がんセンター患者交流棟2階を活動拠点とし、治療やこれからのことについて、患者自身の自己決定や意思決定を支援する「場」を提供しています。

NPO法人 つながりひろば

深呼吸ヨガにチャレンジ。いすに座って全身をリラックス(19年10月、つながりひろばで)

多い日には10人近くが訪れる相談事業

 つながりひろばの活動を大きく分けると、「相談」「イベント」「健康回復」「その他の取り組み」という四つの支援業務になります。

 「相談」事業では、個々の患者の悩みや心配事、病気との向き合い方などを丁寧に傾聴しながら、患者自らが答えを導き出せるように関わります。多い日では10人近くの方が来訪されます。

 診察の待ち時間の合間に、気分転換や世間話をしに来られる方もいます。「話をして気持ちが楽になったわ」「どうしたら良いのか、少し光が見えました」。そのような言葉をいただく時、この仕事の必要性を実感します。

 相談内容で多いのは、〈1〉病気や治療のこと 〈2〉今後の自分の生き方について 〈3〉職場関係や仕事のこと 〈4〉医療関係者(特に医師)との向き合い方……などです。

健康体操や深呼吸ヨガなどで元気に

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つながりひろばのキャラクター「ひろくま」。正力厚生会の助成金で作製したフラッグやミニのぼりはイベント時に大活躍している

 「イベント」事業では、がん患者ではあるけれども、人として「日々を健康に過ごす」ことをテーマに種々の催しを開きました。「健康セミナー」「健康体操」「深呼吸ヨガ」などは、患者からのリクエストがあって実現しました。

 また、市民啓発活動として大阪市内の百貨店のイベントスペースを利用して「がんと言われた時に困らないために」をテーマに、情報提供や相談会を月に1回行っています。

マラソンやウォーキングのチームを結成

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大阪マラソンに向けた試走後、ゴール地点を見られる場所でパチリ!(19年10月、大阪城公園で)

 「健康回復」支援として、「元気マラソンチーム」や「ウォーキングチーム」を持ち、その活動を支援しています。

 大阪国際がんセンターを中心に患者と医療者が、大阪マラソンをともに走るプロジェクト「元気マラソンチーム」を2017年に立ち上げました。現在、約40人が在籍しています。

 元気に安全に走ることを目的に19年度にマラソン専門の講師を 招聘(しょうへい) し、ランニングセミナーを約半年間シリーズで開催しました。19年12月の大阪マラソンでは、チャリティー寄付先団体(チャレンジパートナー)として参加。チャリティーランナーの枠で18人(うちチームメンバーが7人)が出走・完走し、多くの団体やランナーと交流しました。また、20年もチャレンジパートナーとして参加予定でしたが、コロナ禍で中止になりました。

 大阪マラソンのこれまでの実績は17年24人、18年は20人、19年は18人の出走でした。

 一方、「ウォーキングチーム」は19年6月、「マラソンはハードルが高い」との声にこたえて、健康のためのウォーキングを目的にキックオフしました。専門の講師を招いて、歩くことを基本から学ぶことで、歩く科学を知るきっかけになりました。また、大阪城、上町台地、難波宮などを歩くことで、歴史に触れる好奇心も刺激されたのではないかと思っています。

患者・家族ら200人が集うシンポジウムも

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つながりシンポジウム「自分らしくがんと向き合う」。漫才師の宮川花子さんを招いて講演会を開催(18年10月、大阪市内で)

 「その他の取り組み」としては、がん患者や家族ら200人ほどが参加する「つながりシンポジウム」、がんサバイバーで映像作家の保山耕一氏の「映像上映会」、観光ボランティアの案内で大阪城の歴史を学ぶ「つながって歩こう会」などを開催してきました。

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つながりひろば「ジョギングフェスティバル2019」のチラシ

 また、ジョギングフェスティバルは、「競争を目的としない、走っても歩いてもよいアットホームな大会」として、18年と19年に大阪城公園内にコースを設けて実施しました。6か月の乳児から年長は93歳まで、患者や家族、医療従事者、地域の人など約200人の参加がありました。「子どもが楽しそうに走っていた」「泣かないで頑張ってゴールできた」「来年も楽しみにしています」など、たくさんの感想をいただきました。

時代に合った「がん患者支援の在り方」を模索

 がん患者に必要な支援の在り方とは何かを考えながら、がむしゃらに走ってきた約3年です。今、このコロナ禍で自分たちの活動を振り返る時間を与えられたと思っています。組織としてのミッションを再認識し、これからの時代に必要な「がん患者支援の在り方」を、今後も模索していこうと考えています。

NPO法人 つながりひろば

 大阪国際がんセンター元看護部長で、現在の理事長である笹田友恵氏が2017年に設立した。がん専門病院での勤務経験から、がんを体験した人たちが「いつでも」「だれでも」「自由に」訪れることができ、悩みや不安を気兼ねなく語り合える「場」を作れないか、と思ったのがきっかけだ。大阪国際がんセンター患者交流棟2階を活動の拠点としている。大阪国際がんセンターに関係する患者以外にも、がん種や治療施設を問わず訪問できる。自由に参加できるシンポジウムなど様々なイベントを開催している。

ホームページ  https://tsunagari-osaka.amebaownd.com/

 このコーナーでは、公益法人 正力厚生会が助成してきたがん患者団体の活動を、リレー形式でお伝えします。

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公益財団法人 正力厚生会

 正力厚生会は1943年(昭和18)に設立され、2009年に公益財団法人となりました。「がん医療フォーラム」の開催など、2006年度からは「がん患者とその家族への支援」に重点を置いた事業を続けています。
 現在は、医療機関への助成と、いずれも公募によるがん患者団体への助成(最大50万円)、読売日本交響楽団弦楽四重奏の病院コンサート(ハートフルコンサート)を、事業の3本柱としています。
 これからも、より質の高いがん患者支援事業を目指していきます。
 〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1 読売新聞ビル29階
 (電話)03・3216・7122   (ファクス)03・3216・8676
  https://shourikikouseikai.or.jp/

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