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医師が教える「女と男、髪と地肌の話」 田中洋平

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まだまだ暑い季節。医療レーザー脱毛のニーズは高いです

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 さすがに、8月のような猛烈な日差しは弱まってきたようですが、まだまだ夏の残り香が列島のあちこちに残っています。今年は新型コロナの影響で、全国的にイベントの中止が相次ぎ、例年に比べて外出の機会も大きく減りました。

 例年に比べて、この夏はさすがに医療レーザー脱毛を希望する患者さんが少ないだろうと予想をしていましたが、現実は逆。むしろ、患者さんが増えました。

 家で静かに自分や家族の姿、ライフスタイル、それに生き方を見直される方が増えたのかもしれませんね。普段以上に、外見のお手入れ、メンテナンスにいらっしゃる方がとても増えた印象を受けています。

どこまで医療レーザー脱毛

まだまだ暑い季節。医療レーザー脱毛のニーズは高いです

 私が学生だった25年くらい前は、まだまだ医療レーザーによる脱毛は珍しく、ムダ毛の処理は、 剃毛(ていもう) や除毛クリームの使用が一般的でした。スーパーに行けば、シェーバーや除毛クリームがたくさん並んでいた記憶がありますが、今ではすっかり見かけなくなりました。

 私が医師になった20年ぐらい前は医療レーザー脱毛が普及し始めたころで、治療費は非常に高額でしたが、若い女性がワキを中心に医療レーザー脱毛し、さらに美意識の高い方は膝下、腕、顔などを希望しているのだろうと思っていました。

 現在のクリニックを開業したのは十数年前ですが、意外な場所にまで医療レーザー脱毛を希望する患者さんが多いことに驚きました。さらにここ数年は、脚、腕、顔だけでなく、背中やVIO(ビキニライン、陰部、肛門)のレーザー脱毛の患者さんが急増しています。

 医療技術が進歩し、SNSやインターネットの普及で、さまざまな情報が入手しやすくなったことで、人々の価値観やライフスタイルに変化が起こっているのでしょう。

 数年前に、都内にお住まいの20代の男性が、全身の医療レーザー脱毛の相談にクリニックにいらっしゃいました。ところが、ワキ、腕、脚、背中、それに顔にはほとんど毛は残っていません。すでに都内のクリニックで一通り、定期的に医療レーザー脱毛されてきたとのことでした。

 「では、いったいどこの医療レーザー脱毛を?」と尋ねたら、なんとVIOの医療レーザー脱毛を希望とのことでした。

 同じ男性として、私はまったく気にしたことがなかったので、これはちょっとした衝撃でした。しかも、その患者さんは特殊な職業や趣向の方ではなく、ごく一般的な方です。

 「自分は時代の流れから遅れているのか」「医師の仕事に追われすぎて、普通の感覚についていけなくなったのか」と考えてしまうほどでした。

 結局、その男性は数か月に1度、私のクリニックで医療レーザー脱毛を行いました。やがて毛が細く、まばらになり、色素沈着も減っていきました。開始から1年後には、毛穴の開きも目立たなくなり、すっかり格好よく(?)、きれいになりました。

 ここ数年、富裕層の方や実業家で成功された方が、老若男女問わず、次々とVIOや乳輪の医療レーザー脱毛にやってきます。このコラムでもお話ししてきたように、体毛は皮膚を守る役割のために存在しているのに、なぜわざわざ医療レーザー脱毛?!と、私自身はとても驚いているのです。

 さらに、最近は富裕層に限らず、男女問わず、普通の若い方も、次々とVIOや乳輪の医療レーザー脱毛にきます。インスタグラムなどSNSの影響なのか、毛髪の役割を強調してきた私としては、とても複雑な思いです。

 美容外科医としては矛盾しているかもしれませんが、「もっと大切なことがあるのでは?」「周りの方の幸せのためにお金を使ってほしい」と、ひそかに願うほどです。

医療レーザー脱毛できない、あるいはしないところは

 ところで、医療レーザー脱毛って、どこまで治療できるかご存じですか?

 これはクリニックによって方針が違いますが、まつ毛、鼻と耳の中以外ならどこでも可能と私は考えています。

 まつ毛には医療レーザーではなくて、針電極脱毛があります。「えっ? まつ毛の脱毛なんてするの?」って疑問に思われるかもしれませんね。主に、逆さまつ毛で痛くてつらいといらっしゃる患者さんが対象です。普通なら、まつ毛の向きを根元から外向きに変えて、まつ毛が目に当たらないようにする、 睫毛(しょうもう) 内反症手術をします。

 まつ毛は目を守るためにとても大切です。脱毛はしたくありません。向きを変えるだけで症状は解決するので、この手術がお勧めですが、患者さんの希望によっては、針電極脱毛も行います。この治療については、またいずれお話ししたいと考えています。

 かなり治療範囲の広い医療レーザー脱毛ですが、色の濃い部位、つまり、乳輪、陰部、肛門付近には注意が必要です。レーザーの特徴として、黒い毛根を熱処理して脱毛するので、色の濃い部位には熱くて痛みが出ます。

 レーザー脱毛をご希望なら、「痛みや水疱になるなどの副作用を最小限に抑える工夫をしてくれるクリニックで」が大切です。(田中洋平 形成外科医)

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田中 洋平(たなか・ようへい)

 クリニカタナカ 形成外科・アンティエイジングセンター(長野・松本市)院長 新潟薬科大学客員教授、東京女子医科大学非常勤講師。1975年生まれ。

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