ピック病(認知症)介護『父と私の事件簿』
医療・健康・介護のコラム
真夏のベッドに毛布と電気あんかを持ち込んで…父は熱中症まっしぐら 汗だらだら父娘バトルの顛末
高齢者はとにかく「寒い」と思い込みがち
あんかを取り上げ、毛布も抜こうとすると、「いるったら、いるんだ。いいかげんにしろ。何をかけようと俺の勝手だ」とどなりながら、ものすごい勢いで毛布を引っ張るので、私も力を入れ、毛布が破れそうになってしまった。
父はなぜか、毛布をかけることに異様に固執し、取り上げようとすると暴力的になる。前に2枚はぎの毛布で引っ張り合いになった時は、階段の踊り場で父が転落しそうになり、危なかった。なので無理はせず、「とにかくその大汗が引っ込むまで、毛布はかけないで」と言って、布団の横に置き、父の部屋を去った。この騒ぎで、こっちまで汗だくだくである。
取り上げたあんかをどうしよう。隠そうかと思ったが、父が欲しいものを家捜しする時のエネルギーは、異様なほどだ。2枚はぎの毛布を隠した時は、父と仲が悪かった亡き祖母の部屋の押し入れにした。そこなら平気だろうと思ったのだ。しかし、それも甘く、数日後、その毛布を父は自分の部屋に引っ張り込んでいた。隠すなら、よほどの場所でないと無意味なのだ。
ケアマネさんに相談すると、「この猛暑であんかをつけると危ないから、処分したほうがいいよ。余分な布団類も処分できたらいいのだけど」と言われるが、うちには結構、布団類が多く、それは大変だ。看護師の友人いわく、「高齢者はとにかく『寒い』と思い込むので、夏も厚着だよ。訪問看護でおうちに行くと、夏なのに厚着の人が多いし、この間は、この暑さなのにこたつに入ってたよ」と。「部屋の温度をエアコンですごく寒くしたら?」と勧められたが、そうすると、父は、冬の羽毛布団まで押し入れから出してきて、よけいひどいことになる可能性がある。
「お父さんに注意しても、認知症だから言うこと聞けないこともある。そこに体力を使うより、周囲の環境を変えるほうが疲れないよ」とも。そこで、いろいろ 煩悶 したあげく、冬に使う電気あんかはもったいないけど処分。薄い羽布団と1枚はぎの毛布、タオルケットの3点セットは、どうしても父が死守するので、それを標準とし、エアコンで暑くない程度の室温にして、スイッチは私が持ち歩くことにした。そして、それ以上布団類を足さないように、父の部屋の押し入れに入っている布団類は階下の私の部屋に移し、私が目視しやすいようにした。
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我が家の母も前頭側頭型認知症です。 同じく暑さの感覚が鈍く、真夏でも窓閉め切って冬布団かぶって大汗かいていて危険でした。 昨年はエアコンの元のコ...
我が家の母も前頭側頭型認知症です。
同じく暑さの感覚が鈍く、真夏でも窓閉め切って冬布団かぶって大汗かいていて危険でした。
昨年はエアコンの元のコンセントまで抜いてしまうので、金具を取り付けて取れないようにしましたが、今年はもう探すそぶりもありません。(布団はかぶりたがるのですが、隣のベットに置いてあってもそれを使うとは繋がらないようです)
あぁ、母と同じだと読みながら、この一年で進行したんだなぁと実感した出来事でした。
ピック病の方の介護記録はあまりお見かけしないので、読めて良かったです。これから他の話題とご本も読んでみたいと思います。
ようやく涼しい日もでてきましたね。エアコン問題から少し解放されるのでホッとできるかな?どうぞお身体ご自愛ください。
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