ピック病(認知症)介護『父と私の事件簿』
医療・健康・介護のコラム
真夏のベッドに毛布と電気あんかを持ち込んで…父は熱中症まっしぐら 汗だらだら父娘バトルの顛末
「何これ。もしかして空き巣が入った?」
ちょっと近所に出かけて帰宅した、ある夏の日のことだ。玄関の工具などが入っている物入れ、和室の戸棚、廊下の物入れなど、ありとあらゆる大きめの戸棚の扉が開いていたり、閉めた扉から物がはみ出したりしている。動揺して、自室にいる父に、「家の中の戸棚、なんでこんなにあちこち開いてるの?」と聞くと、「知らない。全然知らない」。いつも言い逃れをするときの返事がすばやく返ってきた。あやしい!
空き巣でも入らなければ、ほかに戸棚をいじる人はいないではないか。そこで気が付いた。私がいない間に、父が家捜しをしたのだ。探し物は、私が父の熱中症防止のため、捨ててしまった「電気あんか」に違いない。
温度認知がおかしくなっている?
ことの起こりは7月のそこそこ暑かった日。父の部屋のエアコンは「除湿」にし、暑くもなく、寒くもなく、という設定でつけていたが、その日はいつもより暑かったため、夜中、確認のため父の部屋に入った。すると……。
薄い羽毛のダウンケットに1枚はぎの毛布。それだけでも暑いのに、その上にタオルケットをかけている。「暑すぎでしょ」と思ったその時、布団から何やらコードが垂れているのに気づいた。たぐり寄せてみると、なんと電気あんかである。この暑い夜、布団の中に電気あんかを入れていたのだ。
瞬間的に頭にきて、「ちょっと、この暑いのにいいかげんにしてよ!」と言って、電気あんかを奪い取ると、父はすばやく起き上がって「寒いんだ!」とどなる。本当に寒いのなら、何をかけても、父の好きにすればいいが、顔から頭の中まで真っ赤になって汗をだらだらかいているので、温度認知がおかしくなっているとしか思えない。放置したら熱中症まっしぐらだ。
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我が家の母も前頭側頭型認知症です。 同じく暑さの感覚が鈍く、真夏でも窓閉め切って冬布団かぶって大汗かいていて危険でした。 昨年はエアコンの元のコ...
我が家の母も前頭側頭型認知症です。
同じく暑さの感覚が鈍く、真夏でも窓閉め切って冬布団かぶって大汗かいていて危険でした。
昨年はエアコンの元のコンセントまで抜いてしまうので、金具を取り付けて取れないようにしましたが、今年はもう探すそぶりもありません。(布団はかぶりたがるのですが、隣のベットに置いてあってもそれを使うとは繋がらないようです)
あぁ、母と同じだと読みながら、この一年で進行したんだなぁと実感した出来事でした。
ピック病の方の介護記録はあまりお見かけしないので、読めて良かったです。これから他の話題とご本も読んでみたいと思います。
ようやく涼しい日もでてきましたね。エアコン問題から少し解放されるのでホッとできるかな?どうぞお身体ご自愛ください。
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