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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

医療・健康・介護のコラム

マラソン選手は風邪を引きやすい 激しい運動も過度な安静も健康には良くない

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マラソン選手は風邪を引きやすい 激しい運動も過度な安静も健康には良くない

 寒くなるとインフルエンザの季節です。今年は新型コロナウイルスへの対策も必要です。風邪を引かなくなる方法はいくつかありますが、今回は運動を考えてみます。

 健康のためにマラソンやジョギングを習慣にしているという人もいますが、残念ながら定期的な運動習慣がある人は約3割と少数派です。運動をするのは、健康維持のため、記録にチャレンジするため、頭をクリアにするため、いろんな理由があると思いますが、その良かれと思ってやっている運動が健康を害するとしたらどうでしょうか。

激しい運動で活性酸素が増え、交感神経が優位に

Nieman DC, Exercise, upper respiratory tract infection, and the immune system. Med Sci.Sports Exerc,26(2):128-139,1994.より著者改変

Nieman DC, Exercise, upper respiratory tract infection, and the immune system. Med Sci.Sports Exerc,26(2):128-139,1994.より著者改変変

 1987年のロサンゼルスマラソンの時に行われた研究では、参加したマラソンランナーと参加しなかったランナーとでは、レース後に風邪を引く割合が、参加したランナーの方が約6倍多かったと報告されました(12.9%と2.2%)。有酸素運動で大量に吸った酸素は2~3%が活性酸素となり、DNAを傷つけてしまう恐れもありますし、運動のストレスにより唾液の分泌量や免疫物質が減ることも分かっています。これは、激しい運動が交感神経を優位にしてしまうことが理由です。

 それにもう一つ、「口呼吸」が関係しています。運動時にはどうしても口呼吸になってしまいます。寒い時期の屋外での運動は、気道や 口腔(こうくう) 粘膜の乾燥、冷気により細胞の温度が冷えて免疫が低下すること、熱を逃がさないために血管が収縮し、十分に栄養、酸素がいきわたらなくなることによる機能低下などを起こしてしまいます。運動後に十分な休養を取ることで、これらは防げるでしょう。

 もう一つの大切な点は、逆に安静を保っていても、やはり風邪を引きやすくなってしまうということです。コロナが怖い、インフルが怖い、なるべく人と会わないようにしよう、接触を避けよう、という気持ちはわかりますが、中等度の運動をした方が風邪にかかりにくいのです。さぁ、ではどこで運動をしましょうか?

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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