山中龍宏「子どもを守る」
医療・健康・介護のコラム
ブドウの皮をむいてあげた父親の目の前で…乳幼児の窒息死 「柔軟な球形」が危ない
子どもが気道に異物を詰まらせるケースは、3歳以下が約8割を占めています。最も多いのはピーナツで、その他に、アーモンド、カシューナッツ、枝豆などの豆類、小さな食物片などがあります。詰まらせる異物には、食物と非食物がありますが、今回は食物についてお話しします。
園庭のミニトマト
子どもの場合、気道に詰まらせるケースの3分の2は食べ物です。食べ物が少しでも気道に入ると、むせて吐き出そうとします。しかし、吐き出せないで、食物が気道を完全に 閉塞 させると窒息になります。
事例1: 1歳11か月の男児。夕方、家の裏の畑でお母さんがミニトマトを採るのについていった。まだ青いミニトマトを口に入れていたところ、急に苦しみ出した。すぐに救急車を呼び、近所の医院を経て、私のいた病院に来た。来院時、心臓は停止し、呼吸もなかった。各種の治療を行ったが、21日目に亡くなった。(1985年)
事例2: 1歳の女児。静岡県の保育所の園庭にある滑り台から下りてきて、急に苦しみ出した。園庭では、保育士7人と実習生3人の10人で、女児を含む3歳以下の園児30人を遊ばせていた。職員が119番し、ドクターヘリで病院に搬送されたが、まもなく死亡した。のどから直径約2センチメートルのミニトマトが見つかった。園庭では、ミニトマトを栽培していた。(2006年7月)
事例3: 1歳6か月の男児。これまでブドウを食べたことがなかったが、父親が「食べるか」と聞いたらうなずいたため、父親が種なしの巨峰の皮をむき、丸ごと1個を男児の前の皿に置いた。父親の目の前で、自分でブドウを手に取って口に入れたところ、直後に顔面 蒼白 となり、口唇チアノーゼ(紫色になる)をきたした。父親が背中を強打したが、顔色に変化がなく、救急車を要請した。6分後に救急隊が現場に到着。男児が心肺停止だったため、心肺蘇生術を開始した。 口腔 内の吸引で、ブドウの一部を取り出した。蘇生術を継続しながら、約20分後に病院に入院し、喉頭展開(器具を使って、のどの奥をよく見ること)したところ、気道からブドウの一部が吸引された。来院後の各種処置によって心拍が再開したが、脳死状態になり、約3か月後に死亡。3か月間の医療費は667万円であった。(2013年10月)( https://www.jpeds.or.jp/modules/injuryalert/index.php?did=58 )
事例4: 1歳男児。千葉県の市立保育所で、リンゴをのどに詰まらせて死亡した。(2001年10月)
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先日、市販の筑前煮のレンコンひとかけらをのどにつまらせ窒息しかけました。
目の前で突然子供の動きが止まりみるみる顔色が変わったにもかかわらず、情けない事ですが何もできず呆然としていました。
数秒後に、むせて吐き出し号泣し始め、ホッとしたのと同時に体が震えました。
落ち着いてからそのレンコンを手でつまんでみましたが、他の具材に比べて極端に硬く、子供は恐らく噛めなかったので丸呑みしようとしたのかと思います。
その後誤飲や窒息事故について調べており、こちらの記事を見つけました。
乾いた豆類の事故が多いことも初めて知り、家にあった豆菓子を全て破棄し、ベランダでまさに今育てていたミニトマトも慌てて片付けました。
3歳にもなると、赤ちゃんの時の様に誤飲には気を配らなくなっていた自分を反省しました。
こちらの記事を読めてよかったです。
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