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森本昌宏「痛みの医学事典」

医療・健康・介護のコラム

膝は「人体で最大の関節」 でも頑丈ではありません…痛みを癒やすには?

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 スポーツを続けておられる方が訴える症状で、最も多いのは膝関節周辺の痛みである。今回は、このスポーツ障害(使い過ぎ)による膝の痛みを取り上げる。

 膝関節は、 大腿(だいたい) 骨(太ももの骨)、 (けい) 骨(すねの骨)、 膝蓋(しつがい) 骨(お皿)、それぞれの表面を覆っている軟骨、半月板(内部にあってクッションの役目をしている)などから成り立っている。さらにその周囲には多くの 靭帯(じんたい)(けん) )が付いていて、脚のさまざまな動きをコントロールしている。この膝関節は体のなかで最大の関節であるが、大きいから頑丈というわけではない。また、体を支える、屈伸する、歩行するなどの機能を担っていることから、常日頃大きな負担がかかっているのだ。それに加え、スポーツで跳んだり、跳ねたり、走ったりし過ぎると、問題が発生するだろうことは想像に難くない。

ランナー膝…ガクンと力が抜ける“膝折れ”も

膝は「人体で最大の関節」 でも頑丈ではありません…痛みを癒やすには?

 短距離ランナーは (かかと) をつけずに走り、長距離ランナーは踵から着地する、というように、競技の種類によって負担がかかる膝の部位は異なる。いわゆる「ランナー膝」は、総じてトレーニング方法の誤り、靴が合っていないこと、脚のわずかな変形などが引き金となって起きていることが多い。

 思春期から25歳の女性で、スポーツを始めた頃に多くみられるのが「膝蓋軟骨軟化症」。膝蓋骨の軟骨にかかる圧力の不均衡が原因と考えられている。階段の上り降り、座っていて立ち上がる際に、膝蓋骨の周辺、特に内側に痛みを生じる。また、歩行時にガクンと力が抜ける“膝折れ”といった症状をみることがある。

 そのほか、長距離ランナーで多くみられ、膝関節上方(大腿の外側)に痛みを生じる「 腸脛(ちょうけい) 靭帯炎」(O脚がある場合、腸脛靭帯と大腿骨の摩擦で起きやすくなる)、トラックを同じ方向に走る場合に膝の内側に痛みを生じる「 鵞足(がそく) 炎」(X脚の方に多い)などがある。

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森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

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