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アラサー目前! 自閉症の息子と父の備忘録 梅崎正直

医療・健康・介護のコラム

わが子を悪く言うようで…葛藤する障害程度の調査 慣れてるつもりでも

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初めはつい息子を「擁護」して

大きくなるにつれ、障害の判定は重くなっていった(特別支援学校中等部の卒業式)

大きくなるにつれ、障害の判定は重くなっていった(特別支援学校中等部の卒業式)

 最初に「判定」を受けたのは、洋介が小学校に入ったばかりのころで、場所は県の中央児童相談所だった。初めて「療育手帳」の交付を受けるためで、この時も、身の回りの自立度や言葉の発達などを聞かれたが、「できると思います」「できるときもあります」などと言ってしまうことが多かった。障害の判定をするのは支援のためだと頭ではわかっていても、つい、わが子の評価を良くしようという心理が働いた。心のどこかでは、依然として障害を受け入れられない気持ちが色濃かったのだろうと思う。

 その時の判定は中度の「B」。これが、小学校高学年には「A」となり、成人の手帳に移行してからは、さらに重度の「マルA」となった。学校を卒業し、通所施設などを利用するようになってからは、市の障害支援区分や年金の手続きもあり、僕らも「できないこと」や発達の遅れを並べたてることに、少しずつ慣れてきた。

やっぱりその日の夜は…

 日々の暮らしの中で、わが子が「重度」だという実感があまりないのは、特別支援学校などで洋介よりもずっと大変そうな子どもを多く見てきたからだ。そのため、こうした「判定」になると、「今度はランク引き下げかな?」などと思うのだが、今回の面談を担当した市の調査員の感触は「変わらないのでは?」ということで、やはり客観的に見て最重度なのには違いなさそうだ。「うちの子、何でもできそうに見えるから……」との心配も、親の欲目なのだろうか。

 これまで、数えられないくらい経験した「評価」の場。平日の面談に出かけることが多く、僕よりもずっと慣れているはずの妻も、そんな日の夜はきまって頭が痛くなるという。平気なようでいて、息子を悪く言い続けるのは、やっぱり今も相当なストレスなのだろう。(梅崎正直 ヨミドクター編集長)

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umezaki_masanao_prof

梅崎正直(うめざき・まさなお)

ヨミドクター編集長
 1966年、北九州市生まれ。90年入社。その年、信州大学病院で始まった生体肝移植手術の取材を担当。95年、週刊読売編集部に移り、13年にわたって雑誌編集に携わった。社会保障部、生活教育部(大阪本社)などを経て、2017年からヨミドクター。

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2件 のコメント

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代弁者として

リフレーミング

 調査もそうですが、日ごろの支援者とのやり取りも、本人の代弁者としての使命と思いながら臨んでいます。  仰る通り、この調査結果が軽くなると、障害...

 調査もそうですが、日ごろの支援者とのやり取りも、本人の代弁者としての使命と思いながら臨んでいます。
 仰る通り、この調査結果が軽くなると、障害福祉サービスの色々な事に影響が出ますね。私の息子は知的障害がありますが、障害程度は変わらない、或いはできないことが増えていたのに、先日の調査で障害区分が一段階軽い結果になってしまいました。夫が調査機関に問い合わせたところ、私が“できない”と答えた項目のいくつかは、“できる”にチェックが入っていたことがわかりました。私の説明の仕方が誤解を招いたのか?情けない思いでした。
 現状と異なる結果でしたので、再調査を依頼したところです。今度は夫が立ち会うことにしました。

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一気に読ませていただきました。

場末の施設長

ふとこちらの記事を見つけ、読ませていただきました。 私自身、療育施設、入所施設、通所施設を経験し、現在は場末の施設長をしております。 職員を指導...

ふとこちらの記事を見つけ、読ませていただきました。
私自身、療育施設、入所施設、通所施設を経験し、現在は場末の施設長をしております。
職員を指導・教育(というエラそうなものではありませんが…)を行う立場にあり、私の経験の中から職員へいろんなお話や研修をさせていただいております。
此方の記事は親御さんの立場から、客観的な視点もしっかり交えつつとても読みやすく記事にされているので、非常に興味を持って一気に読ませていただきました。
障害福祉サービスも多様化しておりますが、どこかビジネスライクになりつつある中で、職員一人ひとりが人の想いや家族の記録に触れ、何かを感じ取ることが少なくなってきていることに危機感を感じている中、こちらの記事を見つけることができありがたく感じております。
私が何かを指導することよりも、職員一人ひとりが何かを感じ取っていただければと思いますので、梅崎さんの備忘録を紹介させていただきます。

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