今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」
医療・健康・介護のコラム
50代でも喉は高齢者かも… 周囲の筋肉を鍛え、誤嚥を防ぐトレーニングを
死因3位の肺炎 80歳以上は誤嚥が大半
日本人の死因の3位が、脳血管障害から60年ぶりに肺炎に置き換わったのが2011年でした。死因の約1割を占める肺炎ですが、その97%は65歳以上の高齢者、中でも 誤嚥 性肺炎は年間の死亡者数が4万人弱、80歳以上の肺炎のほとんどを占め、これからも増加が予測されています。インフルエンザや、合併症としての肺炎、気管支炎による死亡は18~19年シーズンで3000人を超えました。特に、秋から冬にかけて冷え込んでくると患者数が増えますから、新型コロナウイルスと併せて気をつける必要がありそうです。
窒息で亡くなる人は1万人足らず
さらに、年間に窒息で亡くなる人は1万人足らず、これは、喉の周囲の筋肉が衰えて飲み込みが悪くなったり、 咳 反射が起こりにくくなったりすることが原因です。筋力というと手足の筋肉に意識が向きがちで、ウォーキングなどにいそしむ人も多いですが、老化とともに全身の筋肉が少しずつ減少していきます。加山雄三さんが誤嚥で救急搬送されたというニュースもありましたが、喉周りの筋肉も同じです。
ところで、食事中のムセは筋力低下のサインです。 咀嚼 や 嚥下 の能力が衰えることをオーラルフレイルと言います。フレイルとは虚弱状態のことで、介護状態の一歩手前です。徐々に変わっていく体の変化に気がつくことは難しいのですが、ムセや食物が口からこぼれるというサインを“症状”と捉えることによって病気を未然に防げます。
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