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田村専門委員の「まるごと医療」

医療・健康・介護のコラム

患者と向き合う薬剤師本来の姿に 改正薬機法9月1日施行

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患者と向き合う薬剤師本来の姿に 改正薬機法9月1日施行

鶴原伸尚さん(東京都目黒区の「つるさん薬局」で)

 昨年11月に成立した改正医薬品医療機器等法(薬機法)が、一部の項目を除いて9月1日に施行された。新薬・医療機器の開発促進などに加え、住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができるようにすることを柱とし、関連する薬剤師法の改正も含め、薬剤師・薬局のあり方の見直しが盛り込まれている。患者さんとしっかり向き合う薬剤師本来の姿の実現を掲げた薬局づくりに取り組む、「つるさん薬局」(東京都目黒区)薬剤師の鶴原伸尚さんに、改正法の受け止め方や現場の思いなどについて話を聞いた。

「医療人」としてのやりがいに

――改正薬機法についてどう受け止めていますか。

  薬局、薬剤師が患者と向き合うことを定めたわけですから、当然の姿、あるべき姿だと思います。

 薬剤師全体にとっての印象をひとくくりで言うのは難しいですが、職業として薬剤師をやっている「職業薬剤師」と、「医療人」としてやっている人では、違いは出るだろうなとは思います。医療人としてやっていく人にとっては、薬だけではなく患者さん個人を見て、その患者さんに沿った薬剤を考えていくことになるわけで、やりがいにもつながります。

患者の求めるものとどう一致させるか

 ――法で規定されたことによる現場の課題は何でしょうか。

 今回の法改正は当然あるべき内容ではあるのですが、それが、薬局の経営や収益にどう結びつくのか、どうやって評価されるのかについては、あまり考慮されていないように感じています。

 また、法律で定めることは、良い面と悪い面の両方あると思いますが、かえって患者さんの負担になり、悪影響を及ぼすことがあってはなりません。実際の運用を考えていくうえでは、患者さんが求めているものと一致するかどうかを、慎重に考える必要があります。

――改正法では、調剤時に限らず、必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行うことが、薬剤師に義務づけられました。

 患者さんを急にフォローするとなったときに、果たしてそれが患者さんが求めているものと一致するかどうかは、難しい問題です。そこをはき違えると、みんなが不幸になる気がします。9月1日から一斉に何かを変えるというのは無理があって、ソフトランディングが必要です。たぶん時間が解決するとは思うんですが、そこは行政の方も、上手にPRしてくれないと、と思います。

薬の一般的説明にユーチューブ活用も

 ――患者さんへの情報発信という面でも変化がありますか。

 薬剤師は、まず薬や病気に対する一般的な説明をした後に、患者さんとのやりとりから情報を得て、患者さん個々に対しての情報をフィードバックするという流れになります、そこで、自分が今考えているのは、一般的な説明の部分は、ユーチューブを活用してできないかということです。

 一般的な教科書的な説明は、患者さんにとっても面白くないでしょうし、それは自前でつくることに意義があると考えています、現場の負担の軽減にもつながればと思います。

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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