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血液型 知らないと困る?

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輸血時は病院が検査

血液型 知らないと困る? 血液型 知らないと困る?

   息子の血液型、知らないの。けがや病気で手術する時、困らない?

  ヨミドック  心配ないですよ。ケガや手術などで輸血する際は、同じ血液型の血液が使われます。医療機関が患者の血液型を検査します。名札にある血液型表記や、患者や家族の申告は参考程度です。

 違う型の血液を輸血してしまうと、赤血球が破壊されるなど、命に関わる副作用が起こりかねません。医療機関は、慎重を期して血液型は2回、時間を空けて調べます。輸血直前にも、輸血する血液と患者の血液を混ぜ合わせる試験を行い、血液型が合っているかを最終確認します。

   何重にも調べるのね。

   血液型は細かくみると、約300種類あるといわれています。輸血前に必ず調べるのは、よく知られているABO型とRh型の区別です。

 ABOは、血液中の赤血球の表面にある免疫に関わる物質「抗原」を表しています。A抗原がある人はA型、B抗原はB型、A、B両方の抗原があればAB型、いずれもない人がO型です。

 Rh型も、赤血球上の「D抗原」の有無を調べます。緊急時、検査をする余裕がない時は、国内では副作用が起こりにくいO型の血液が輸血されます。

   ふーん。ところで血液型は変わるって聞いたことがあるんだけど?

   白血病患者などが、血液細胞の元になる造血幹細胞の移植を受けた場合、提供者の血液型に変わります。記憶違いや、新生児期の血液型検査の結果が間違っていることもあります。

血液型 知らないと困る?

   間違っているって?

   赤ちゃんの血液型を正確に判定するのは難しいのです。抗原やそれに対応する抗体が未熟なためです。血液型はおおむね1歳以降で確実に検査できます。

 血液型がわかっていても、医学的には特にメリットはありません。最近は、出生時に血液型を調べない産院が増えました。子どもの血液型を把握していない保護者も多いんですよ。検査は有料です。無理に検査する必要はありません。

 (影本菜穂子/取材協力=神園淳司・北九州市立八幡病院小児総合医療センター長、奥田誠・東邦大医療センター大森病院輸血部次長)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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