常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
思春期から妊娠・出産、更年期と、変化していく女性の体は様々な健康リスクに見舞われます。そこに、子育てや人間関係のストレスも重なって……。各年代の女性に特有な心身の悩みを乗り切るには、何に気をつければいいのでしょうか。健康診断や会社員のメンタルヘルスにも取り組む開業医、常喜眞理さんが答えます。
妊娠・育児・性の悩み
排尿の最後に痛みと血尿…「膀胱炎」 トイレットペーパーの使い方にもコツが
以前よく効いた抗菌薬は…
感染を繰り返しているMさんには、処方を希望する抗菌薬があった。以前に飲んだとき、よく効いた記憶があるからだ。つらい症状を救ってくれた薬だから、また飲みたくなる気持ちはよくわかる。しかし、本来はしっかり効くお薬でも、安易に服用を繰り返すと、いざという時に効かなくなることがある。
その点をMさんに説明し、適正と思われる抗菌薬を処方した。また、Mさんの尿を培養検査に出し、薬の効き目があるかどうかを検査することにした。
水分をしっかり取って尿量を多く
膀胱炎を予防するには、日頃の生活習慣が大事だ。通常、二つの腎臓で作られた尿は、それぞれ尿管という管を下り、一つの膀胱という袋にためられ、尿道を通って 排泄 される。女性は男性と違い、尿道が約4センチと短いため、菌が上流に行きやすい。そこで、尿道から膀胱の方に菌が入り込んで増えないよう、水分をしっかり取って尿量を多くし、上から洗い流すことが大切だ。
性交渉前後は、しっかり排尿することを心がけてほしい。ストレスや疲れは、食生活や水分摂取の乱れと体力低下につながるので気をつけたい。
また、排尿・排便時に注意すべき点もある。日本のトイレットペーパーの品質はとても良く、柔らかくて水に溶けやすいが、それで肌をこすってしまうと紙片が肌に残り、かぶれの原因となる。便とともに尿道口についてしまうと、膀胱炎につながる。トイレットペーパーでこすらず、押さえつけるようにして拭き取るといい。細かいようだが毎日のことなので、心配りをしてほしい。(常喜眞理 医師)
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