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コロナ感染すると血栓できやすく…水分補給と運動で予防

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 新型コロナウイルスに感染すると、血管内に血栓(血の塊)ができやすくなることがわかってきた。血管が詰まると命にかかわる病気につながる恐れがあり、日ごろから血栓をできにくくするよう心がけることが大切だ。(利根川昌紀)

コロナ感染すると血栓できやすく…水分補給と運動で予防

  血管内で炎症

 けがをして出血すると、通常はしばらくして血が固まる。傷口の出血を止めようと血小板が集まり、血栓で塞ぐ。フィブリンという物質が血小板の周りを覆い強固にすることで止血する。

 動脈硬化がある部分は、傷つき血栓ができやすくなっている。血栓で血管が詰まると、心筋 梗塞こうそく や脳梗塞を発症する。また、脚の静脈の血流が悪くなり血栓ができると深部静脈血栓症になる。血流に乗った血栓が肺の血管で詰まると、肺血栓 塞栓そくせん 症を発症する。エコノミークラス症候群として知られている病気だ。

 新型コロナウイルスに感染し、血栓ができやすくなる理由は、まだはっきりとはわかっていない。血栓に詳しい浜松医科大教授(医生理学)の浦野 哲盟てつめい さんは「感染によって、血管内で炎症が起きているからではないか」と指摘する。

 血管には、新型コロナウイルスを取り込むたんぱく質がある。ウイルスが血管の細胞に入り込むと血管の内側の細胞が傷つき、血栓が形成されるのではないかとみられる。

 また、体内にウイルスが侵入した場合、攻撃するために免疫細胞にスイッチを入れるサイトカインという物質が放出される。新型コロナの場合、何らかの理由でサイトカインが過剰に放出される「サイトカインストーム」が起こる場合があるとされる。免疫細胞が必要以上に働くと、正常な血管の細胞なども攻撃してしまうと考えられている。

 血栓を防ぐには、しっかりと水分補給をすることが大切だ。体の中の水分が足りなくなると、血液がドロドロになり固まりやすくなる。高齢者はのどの渇きに気づきにくいため、意識的に水分を取る。心臓病や腎臓病の人は、水分の取りすぎに注意が必要な場合があり、主治医の指示に従う。

  1日30~40分歩く

 適度な運動も必要だ。今の時期は比較的涼しい時間帯を選び、1日30~40分程度、ウォーキングをするとよい。室内で脚の曲げ伸ばしなどの運動をするだけでも、エコノミークラス症候群のリスクを減らせる。

 浦野さんによると、心臓病や脳梗塞などを経験した人の中には血液が固まりやすい人もいるので、注意を要する。静岡県内の女性(83)は、心房細動という不整脈を患う。心臓を規則正しく動かす電気信号が乱れると、心臓がぶるぶると震えて血流がよどむ。血栓ができやすくなるため、血液をサラサラにする抗凝固薬を飲んでいる。

 女性は「血栓ができないように、毎日水分をしっかり取りながら、自宅周辺を散歩しています」と話す。

 血液をサラサラにする薬には、主に動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などの血栓を防ぐために使われる抗血小板薬もある。小田原循環器病院(神奈川県小田原市)院長の杉薫さんは「抗凝固薬や抗血小板薬を飲んでいる人は受診を控えず、医師の指示に従い、薬を飲み続けてほしい」と呼びかけている。

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