佐藤純の「病は天気から」
医療・健康・介護のコラム
「台風が近づくと頭痛がする」は病気です…つらさ、理解して
はじめまして。「天気痛ドクター」こと佐藤純です。愛知医科大学病院痛みセンターで、日本で初めて開設した天気痛・気象病外来を担当しています。「天気痛って何?」「気象病って?」……初めて聞かれた読者もいらっしゃるかと思います。皆さんの周りで、あるいはご自身が、「雨が降ると関節が痛い」「梅雨時になると気分が落ち込む」「前線や台風が近づくと頭痛がする」といった体験をされていませんか? 実は、これらはみんな天気の影響を受けて生じたり悪化したりする「天気痛」、あるいは「気象病」と呼ばれるものなのです。
天気が悪いと痛みが右腕全体に
僕が初めて天気痛の患者さんと出会ったのは、約25年前のことです。当時、「ストレスで悪化する痛み」の基礎研究をスタートしていたのですが、そのような患者さんを実際に診たことがなかったので、この種の痛みを多く治療しているN大学の痛み外来で診療の手伝いをさせていただくことにしました。
そのとき出会った患者さんのなかの一人に、まさに「天気痛」を患う方がいました。その患者さんは学校の先生でしたが、授業をしているときにチョークが折れて親指を強く黒板にぶつけたのをきっかけに、指を中心とした強い痛みが出るようになってしまいました。そして、ストレスがかかったときのほか、天気が崩れたときにも痛みが右腕全体にまで広がり、触ることもできない状態になっていたのです。この患者さんとの出会いをきっかけに、自分がもともと気象に興味を持っていたこともあって、天気痛・気象病の研究をしたいと思うようになったのです。
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企業で障害者就労チームを立ち上げ、適材適所を探りながら、活躍の場を広げています。
彼らの中にある、低気圧不調について、現在ではコロナとの見分けも難しく、甘えとして指導する部分と、低気圧不調として配慮すべき部分との微妙な頃合いを見つけるヒントにたどり着けそうな期待を持って記事を拝読しました。
私の職業は医療従事者ではありませんから、決定はできませんが、どのレベルで医療に繋ぐべきかの判断材料として、知識は持っていたいと思います。とてもありがたい記事でした。
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