Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」
医療・健康・介護のコラム
金縛りになった、どうすれば…有効なのは「二度寝」?
レム睡眠中に起こされると…
ところがレム睡眠中、何かの拍子に覚醒したとき、オフスイッチがすぐに解除されないことがあります。その際に、睡眠麻痺を「金縛り」として自覚するわけです。レム睡眠からノンレム睡眠、そして覚醒へと緩やかに移行すればオフスイッチが入った状態のまま目覚めることはありません。ところが、レム睡眠中やその直後に急に起こされたり、目覚めた後に再びうとうとと寝ついたりすると、覚醒とレム睡眠のはざまで金縛りが出現しやすくなります。
特に、金縛りは明け方近くに出現しやすいのですが、それは睡眠後半になるほどレム睡眠が長くなるからです。一晩を平均すると、1回あたりのレム睡眠は20分ほどですが、明け方には1時間ほど続くこともあります。金縛りの好発時間帯です。「悪夢を見てドキドキしながら目が覚めたが、金縛りで動けない」などという怖い体験をすることもあります。まるでホラーですね。
「二度寝」が有効
金縛りにあったときは、慌てずに、「これはレム睡眠の名残」であることを思い出してください。これを知っているのといないのとでは、恐怖の度合いは大違いです。たかだか数分のことなので、オフスイッチが解除されるのをゆっくりと待ちましょう。眠気があるようなら、うとうとと二度寝をするのもよいでしょう。短時間でも眠れれば、次に目を覚ましたときには金縛りは終わっています。
毎晩のように頻発しなければ、金縛りに治療は必要ありません。しかし、就寝から間もない「寝入りばな」にちょくちょく金縛りが出現するケースや、逆に、レム睡眠中のオフスイッチが働かず、夢の内容の通りに体が動いてしまう特殊な睡眠・覚醒障害があります。次回は、そのようなレム睡眠中の「オフスイッチの異常」に関連した病気をご紹介します。(三島和夫 精神科医)
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三島和夫先生の金縛りの解説納得しました。いわゆる眠り病という昼間の突然の眠り発作その場で五分も眠ればその後頭がさっぱりします。この現象と金縛りと何か関係あるか次回にそれにも触れていただきたく、よろしくお願いします。
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