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中川恵一「がんの話をしよう」

医療・健康・介護のコラム

9人に1人…高まる乳がんリスクに少子化の影 「妊娠」「授乳」の減少も影響?

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 緊急事態宣言が解除され、一時は収まったかに見えたコロナ禍ですが、社会活動の制限の緩和に伴って感染者の数が再び増えています。しかし、PCR検査の件数が増えれば、陽性者数も増えるのは当然です。また、無症状の陽性者が多いのも、この感染症の特徴です。感染した人の数に一喜一憂するのではなく、「重症者」「死亡者」の数をより重視する必要があると思います。

 一方、マスクの着用や手洗いのためと思いますが、インフルエンザの患者数は激減しています。ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎も、インフルエンザと同様に、例年よりずっと減っています。皮肉なことに、今年は、「ウイルス感染症による死亡」が例年より少ない年になるかもしれません。

 新型コロナウイルスの猛威は、3年を超えては続かないと思います。これに対し、「がん」は流行性の感染症と違い、高齢化とともに増え続けていきます。新型コロナウイルス感染症にばかり関心が集中するのは、バランスを欠くと言えるでしょう。

今後も増えていく女性のがん

 現在、日本人男性の57万人強、女性の44万5000人ほどが、年間にがんと診断されています。そして、国立がん研究センターの長期予測によると、2035~39年の平均で、男性は64万人、女性は53万人と推計され、男性で1割以上、女性では2割近く増加すると見込まれています。

 私もその一人ですが、過去5年以内にがんと診断されて生存している「有病者」については、現在、男性約173万人、女性約140万人、合わせて313万人とされています。しかし、35~39年の平均では、男性は184万人、女性は167万人と推計され、有病数は男性で6%、女性では19%も増加する見込みです。

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中川 恵一(なかがわ・けいいち)

 東京大学医学部附属病院放射線科准教授、放射線治療部門長。
 1985年、東京大学医学部医学科卒業後、同学部放射線医学教室入局。スイスPaul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、社会保険中央総合病院(当時)放射線科、東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師を経て、現職。2003~14年、同医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。患者・一般向けの啓発活動も行い、福島第一原発の事故後は、飯舘村など福島支援も行っている。

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