本ヨミドク堂
医療・健康・介護のコラム
『歯医者さんのかかり方』 渡辺勝敏著
歯医者さんとどうお付き合いしていけば、歯を守っていけるのだろうか? そんな問題意識で、患者であり医療記者として取材をしてきた内容をまとめたのが本書。
「早期治療が必要なのは、虫歯か歯周病か?」「虫歯で神経を抜くと、半数以上が失敗ってホント?」「歯周病で歯を抜かなければいけない基準はあるのか?」「定期受診をすれば歯を守れるか」……。
患者として直面してきた疑問について、取材を通して知り、考え、見つけた答えを紹介しています。歯科医が書いた歯科の本はたくさありますが、この本は、患者の立場で、歯科医療のかかり方について様々な問題を提起しているのが特徴です。
虫歯や歯周病、予防歯科、入れ歯、インプラント治療などの一般的な歯科医療の最新の考え方を紹介。その上で、改めて強調しているのが、毎日の歯磨きの大切さ。50歳代後半で歯磨き指導を一から受け直して身に着けた、お口の掃除のコツについても書かれています。
お口の健康が、認知症や脳卒中、糖尿病、肺炎など全身の病に関係していることがわかってきて、その重要性は増しています。その上で、歯科医選びなど歯科の上手なかかり方をテーマに据えたのが本書。読売新聞の医療・健康・介護サイト「ヨミドクター」に連載していたコラム「しあわせの歯科医療」を基に加筆したものです。読んでいると、洗面所に立ってきちんと歯磨きをしたくなる効果がありそうです。
(中公新書ラクレ 840円税別)
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