文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

会社の冷房がつらい女性 むくみや胃腸の不調にも…体を温めるならこのポイントを

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

冷えは食欲低下、めまいにも

 この季節、冷房をつけないでいると、逆に熱中症の危険がある。ちょうどよい温度というのは、なかなか難しい。冷房で冷え過ぎると、高温の屋外へ出たときの変化に体が追いつかない。

 体温調節には自律神経が関係している。そのため、体温の調節がうまくいかないと、自律神経の機能も乱れる。そうなれば、冷えのほか、食欲低下、めまい、むくみ感、胃腸の不調など様々な異常が起きる。

 40歳になったばかりのFさんは、「胃もたれが続く」と訴えて来院された。胃液が食道に上がってくる逆流性食道炎でも、胃もたれ症状を感じることが多い。Fさんは、以前処方された胃酸を抑える薬(逆流性食道炎の治療薬)を2週間ほど飲んだが、効かないとのことだった。

 子供の頃から時々、同じ症状を繰り返していて、「胃腸が弱い体質」と思っていた。疲れたり、風邪を引いたり、緊張したりすると、すぐにおなかが痛くなり、下痢になる。こういう人は結構多い。胃腸の動きにも自律神経が関わるので、体調や環境のストレスが影響している。

 症状があるから悪い病気がある、というわけではない。胃腸の内視鏡検査の結果に異常がないのに、不調が続く場合も多い。胃腸薬は、腸内細菌を整える整腸薬や胃液を抑えたり胃粘膜を保護したりする薬がほとんどなので、このような症状に即効性は期待できない。

漢方薬が合う人も

 こうした場合にも、温かい食べ物や飲み物を心がけること、脂っこいものは消化時間に余裕のある日中に食べる、夜遅くには食事を取らない……といった日頃の心がけが必要だ。それでも改善しないときは、漢方薬が体に合う方もいらっしゃるので、一人で悩まず、かかりつけ医に相談してみよう。

 慢性的におなかの調子が悪い方は、「過敏性腸症候群」という病気の可能性もある。これは別の機会にお話ししたい。(常喜眞理 医師)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

joki-mari

常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

常喜眞理「女のココロとカラダ講座」の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事