文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知りたい!

医療・健康・介護のニュース・解説

コロナ禍の「健康二次被害」予防を 西日本4市町が連携プロジェクト

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛によって、高齢者を中心に、基礎疾患の悪化や認知機能の低下など「健康二次被害」の懸念が高まっている。こうした中、大阪府高石市など西日本の4市町が、健康二次被害の予防や、急速な少子高齢化による社会保障費負担増など「2040年問題」の解決を目指す「飛び地型自治体連携プロジェクト」を、9月までに順次スタートする。

コロナ禍の「健康二次被害」予防を 西日本4市町が連携プロジェクト

プロジェクトを発表する4市町の首長ら(7月28日、大阪市で)

 高石市と、福岡県飯塚市、奈良県田原本町、鳥取県湯梨浜町が参加する。4市町は全国106自治体の首長が参加する「Smart Wellness City 首長研究会」のメンバー。4市町合計で初年度は5500人、5年後には1万4000人以上の参加者を目標とし、健康づくりを積極的に支援する。

 参加者には、歩数などが記録される活動量計や体組成計で計測したデータと、個人の体力や身体活動量などをもとにした筋力トレーニングや運動メニューが個別に提示されるほか、毎月、食事や運動習慣の現状と改善点をまとめたリポートが届けられる。また、プログラムの達成度に応じて、地元の商業施設で利用できる商品券に交換できるポイントがもらえる。

 特に、フレイル(筋力や気力が低下し、介護が必要になる一歩手前の状態)になりやすい高齢者の参加を重視しており、80~90歳代の参加者数の目標を全体の約15%(2000人)以上とした。高齢者には、自治体等からの正確な感染予防の方法や健康情報を学んだうえで、地域の集まりなどで健康情報を身近な人に伝えるボランティアの役割を果たしてもらう。社会的な役割を持つことで、運動や会話の不足、1人で食事をする「孤食」などを防ぎ、高血圧や糖尿病など基礎疾患の悪化、メンタルヘルス(心の健康)の悪化、認知機能の低下などの予防を目指すという。

 4市町はこのプロジェクトにより、5年後の医療費・介護給付費を11億8000万円抑制することを最終ゴール目標としている。運営資金は、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)を活用する。SIBは、自治体などが民間資金を活用する手法で、金融機関や投資家から資金を募って初期投資を賄い、成果に応じて投資家などに配当が出る仕組み。今回は、地域の金融機関からの融資や市民・地元企業からの投資を募り、削減できた額の一部を成果報酬として、市民や企業などに還元することにしている。

 タニタヘルスリンク(本社・東京)が、ICTを活用した医療費適正化パッケージ「タニタ健康プログラム」を提供。大学発のベンチャー企業「つくばウエルネスリサーチ」が全体をコントロールし、単年度の目標や最終ゴール目標の達成具合を筑波大学が評価する体制をとる。

【組織図】【組織図】

 筑波大学の久野譜也教授(健康政策)は「コロナの流行は長期化することも予想されるため、健康二次被害の対策も重要だ。プロジェクトは感染防止対策と二次被害対策のバランスを取ろうとする自治体の取り組みであり、期待したい」と話している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知りたい!の一覧を見る

最新記事