40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる
医療・健康・介護のコラム
コロナで将来が不安? 老後の安心に「ザックリ家計簿」のすすめ
収入の面でも新型コロナウイルスの影響を受け、「いくらあれば、生活が回る?」と、真剣に考えた人は多いと思います。今回は、最低限必要な家計費の算出方法についてお話しします。
家計は「三つの柱」で考える
家計費の把握をしようと思ったら、まず家計簿です。「そんなのわかっている! でも、続かなかったんだ」と言う人が、大半だと思います。私は家計簿のワークショップを開催していますが、続かなかった理由をうかがってみると、「数字が合わなくて、嫌になった」「費目分けで迷った」「イレギュラーな出費があって、つけ方がわからなくなってしまった」といったあたりです。
そんな時、私はいつも 「家計簿をつける目的は、家計のお金の流れをザックリ把握することなんです」 と、お伝えしています。費目分けを厳密にする必要はないし、収支がピッタリ合わなくても、全然オッケー! そんな「ささいなこと」に足をすくわれていることの方が、もったいないんです。
では、家計簿をつける上でのポイントは何でしょう? ザックリと言われても、「頃合い」が難しいですよね‥‥‥。私は、家計(ランニングコスト)を三つの柱に分けて考えることをお勧めしています。 (下図)
最初に手をつけるべきは、家賃(住宅ローン)、水光熱費、通信費といったお金で、これを「インフラ」と名付けました。これらのお金は、定額だったり、数か月に一度、金額をチェックしたりすれば十分に把握できるので、家計簿とは別に一覧表にして管理します。これだけで、「家計簿で管理する領域」は、ずいぶんと狭まります。
家計簿で管理すべきは、赤枠で囲った「コスト」と「クッション」です。「コスト」は生活費、つまり、食費、日用品費、衣料費、レジャー費といったお金です。「クッション」は、イレギュラーな出費のこと。「『生活費』と『貯蓄』の間に、クッション役となるようなお金を設けておくと、イレギュラーな出費があった時もドキドキしない」という意味で命名しました。
そうはいっても、クッション=イレギュラーな出費という定義だけでは、漠然としすぎていますね。家計簿をつける時に迷いの原因になるかもしれません。そこで私は、「 食費と日用品のまとめ買い以外で3000円以上かかった出費 (4人家族の場合)」と説明しています。ポイントは、支出の「内容」ではなく、「金額」で線引きをすることです。もちろん、家族の形態によって線を引く金額が違うので、詳しくは上図を参照して下さい。
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