山崎まゆみの「心もとろける癒やしの温泉」
医療・健康・介護のコラム
夏本番。こんな時代だって、温泉は満喫できるんです
学生も社会人も夏休みに入り、そろそろ旅行に出かける機会も増えてくる頃でしょう。観光シーズンの到来に、多くの温泉旅館は、お客さんに安心して来てもらえるようにと、それぞれの新型コロナの感染防止対策を試みています。
感染防止に配慮したイベントも
先日、私が泊まった温泉旅館では、日本酒のイベントが開催されており、会場は不思議な空間になっていました。
集まったのは限られた数のお客さんでしたが、天井からつるされたいくつもの大きなアクリル板で仕切られていました。 飛沫 感染予防のためですが、そこにいても圧迫感はまったくありません。むしろ、その仕切られた空間は、まるでアートのよう。
光量を調整した照明が醸し出す雰囲気。低く流れるラテン音楽。正面には2メートル以上もあるドウダンツツジが大きな花瓶に活けられてありました。
温泉旅館のイメージを覆す音色と色彩の風景で、コロナ禍の中での重たい気分が一気に吹き飛びました。
コロナ感染防止対策を施した空間でも、工夫次第では、こんなにも楽しませてくれるのかと感心しました。

箱根らしい静けさに包まれた「円かの杜」の露天風呂
登山鉄道が復旧した箱根の宿で
これは、神奈川県箱根町の強羅にある「 円 かの 杜 」での光景です。
本連載では、今年1月に箱根を取り上げていますが、昨年の台風19号で大きな被害を受け、長く不通になっていた箱根登山鉄道が、7月23日に全線復旧しましたので、応援の意味で、もう一度、取り上げたいと思います。
「円かの杜」の経営母体は、森林資源が豊富な飛騨高山の旅館ということもあり、「日本人には木がなじむ」という考えのもと、ここ箱根にも「円かの杜」が造られました。フロントロビーには、山形県と秋田県にまたがる鳥海山の麓で太古から眠っていた 神代欅 を中心に、杉や檜が使用されています。
2014年のオープンから時間もたちましたので、当初は白木でしたが、時間とともに薄茶の色みが加わって、落ち着いてきたことで、旅館に馴染んだとでもいいましょうか。ふんだんに使われている館内の木々と、職人さんの仕事による土壁が調和し、訪れた人に安らぎを与えてくれます。
廊下は全て畳敷きですので、スリッパをはく必要はありません。

客室にも木のぬくもりがいっぱいです
客室数20室の規模で、全室に露天風呂が付いています。客室からも露天風呂からも箱根外輪山の 稜線 が眺められ、露天風呂の横にあるウッドチェアに身を横たえれば、ゆったりとした時間を過ごせます。大浴場に行かずとも、部屋で温泉を楽しむことができるのは、現代のニーズに合っているでしょう。
また客室には、「新型コロナウイルス感染予防対策について」というお知らせと「マスクの仮置きにお使い下さい」という簡易マスクケースが置かれてありました。
現在、入浴者の人数制限をしている大浴場では、露天風呂の頭上に桜の木があり、その季節になれば、お湯につかりながらの花見を楽しめます。
敷地内に源泉が2本あり、大浴場と内風呂では泉質が異なります。客室の源泉はとくに美肌効果が高いと言われています。

客室風呂からは箱根外輪山が
予約をする前に、宿の安全対策をチェック
感染防止対策が欠かせない現在、日本各地の旅館は独自の個性を発揮して、この難局を乗り切ろうとしています。多くの宿では、HPに記載していますので、それぞれの安全対策に納得してから予約を入れるといいでしょう。
ただ、観光地や宿の側ばかりが予防をしても、安全な旅は約束されません。やはり旅行者の心がけも必要になっています。
観光庁は「新しい旅のエチケット」を推奨しています。
「毎朝の健康チェックは、おしゃれな旅のみだしなみ。」
「握手より、笑顔で会釈の旅美人。」
「こまめに換気、フレッシュ外気は旅のごちそう。」
など、旅心が損なわれない言葉で注意喚起がされています。
新しい観光地、新しい温泉旅館スタイルをみんなで作り出していきましょう。

箱根強羅温泉 円かの杜
【 所在地 】〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-862
【 電 話 】0460-82-4100
【 泉 質 】ナトリウム-塩化物泉
【 効 能 】切り傷、皮膚病、末しょう循環障害、冷え性、うつ、皮膚乾燥症など
【アクセス】箱根登山鉄道「強羅駅」、箱根登山ケーブルカー「早雲山駅」から無料送迎
【ホームページ】https://gorahanaougi.com/madokanomori/
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