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ダイヤモンド・プリンセス<2>困りごと聞き 不安軽く

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ダイヤモンド・プリンセス<2>困りごと聞き 不安軽く

船内で交流のあった米国人女性から下船時に贈られたバラ(小早川さん提供)

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バラは今、ドライフラワーになって自宅にある(小早川さん提供)

 九十九里浜が描かれた絵はがきに、退院の報告が書かれていた。

 感謝しています。先生は命の恩人です――。

 災害派遣医療チーム(DMAT)として船内支援に携わった医師の小早川義貴さんは胸をなで下ろした。クルーズ船で出会った80歳代の夫婦。何げなく話した出身地の絵柄を探してくれた気遣いからも、回復ぶりが感じられた。

 小早川さんは、船内で不調を訴える人の部屋を訪ねて診察したり、苦情に耳を傾けたりした。当時、政府は感染拡大を防ごうと、乗客約2700人を自室に待機させ、PCR検査で陽性とわかれば入院、という対応をとっていた。

 「いつどうなるかわからないから、乗客の不安は増幅する。感染症の検査や診療だけでなく、困っていることをよく聞いて、不安を少しでも軽くしてあげることが必要だった」。小早川さんのこの考え方は、DMAT事務局の福島復興支援室で、東日本大震災の被災者を支えてきた経験に裏打ちされている。

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