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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

医療・健康・介護のコラム

運動は薬だ! 1年半で注射薬が不要になった関節リウマチの女性

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短時間で心拍数を上げる運動「HIIT」

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 Tさんには週1回、HIIT(ヒット)をしてもらうことにしました。HIITとは、high intensity interval trainingの略で“高強度インターバルトレーニング”と訳されます。20秒間のはげしい動き、10秒間の休みを1セットとして全部で8セット、4分間行うトレーニングです。動作は何でもいいのですが、目安となるのは心拍数。運動直後に最大心拍数(簡易計算から求める)の8割くらいになっているのが理想です。例えば50歳なら、最大心拍数が170bpmで、目指すのは136bpm以上となります(最大心拍数簡易値は220-年齢で計算できます)。

 “その人にとって”激しい運動ですから、運動が不慣れな人でも大丈夫。とにかく4分間、休憩を交えながら一生懸命動くだけです。これを8~12週続けることで降圧効果、体脂肪減少、心肺機能向上が得られることが分かっています。そして、普通の筋トレより継続率が高いことも特徴です。私もずっと続けています。

 Tさんは64歳ですから、最大心拍数は156bpm、目指す心拍数は125bpm以上です。膝が痛いため椅子に腰掛けた状態から始めました。運動に不慣れなうちはなかなか100bpm以上になりませんが、それでも頑張って続けていくと120、130と徐々に心拍数を上げられるようになり、4か月後には150bpmと最大心拍数に近い値まで出すことができるようになりました。これは、かなり激しく動けるようになった証拠です。

「ウソのように」症状が消えた

 Tさんが運動を始めて1年半たったとき、なんと生物学的製剤を中止できました。さらに1年半後、「ウソのように」症状がなくなり、今度は飲み薬が不要となりました。つまり、薬を全廃できたのです。もちろん、血液検査なども良好です。さらに体力は向上し、寝つきも改善。痛かった膝ですが、ジャンプもできるようになり、垂直跳びが31cmという記録も出せました。友人がビックリするほど歩行もスムーズになりました。

 ところで、IL-6は炎症物質と書きました。運動したら、それが筋肉から分泌されるとも。それなら、運動したらもっとひどい炎症が起きるのではないか?と心配になりますが、適度な運動は、その後のIL-6を低下させます。それが炎症抑制につながっていると考えられますが、まだ詳しいことは分かっていません。

運動時の口呼吸は許容範囲

 いつもは口呼吸のことを戒めていますが、運動の時はハァハァと少し息が上がる程度は体を動かしてください。HIITは、有酸素運動と筋力トレーニングが同時にできる優れものです。短時間なので、それくらいの口呼吸は許容範囲。運動後、心拍が落ちついたら、また鼻呼吸に戻して下さいね。あいうべ体操や口テープなどのセルフケアはお忘れなきよう。(今井一彰 みらいクリニック院長・内科医)

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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