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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

繰り返す腹痛に悩む30代の女性教師 授業中はトイレに行けず…過敏性腸症候群

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 Dさんは、「毎日の腹痛がつらい」と言って来院された。30歳代後半の学校の先生だ。1年ほど前から腹痛に悩まされ、排便をするといっときはおさまるが、1日に何度も繰り返した。仕事柄、授業中になかなかトイレに行けないという事情があり、非常に困っていた。家族にも大腸の病気を心配され、受診したという。

 普段、服用中の薬はなく、肛門からの出血もないようだったが、ともかく、大腸の内視鏡検査を受けてもらうことにした。炎症や腫瘍も見つからず、まずは安心できた。

排便でよくなったり悪くなったり…

繰り返す腹痛に悩む30代の女性教師 授業中はトイレに行けず…過敏性腸症候群

Dさんの症状は、その経過から過敏性腸症候群と診断した。過敏性腸症候群は、英語で言うところの「irritable bowel syndrome」の頭文字をとってIBSと呼ばれる。6か月以上前からお (なか) の調子が悪く、最近3か月間では「1週間に少なくとも1回以上」の腹痛があり、その腹痛が排便でよくなったり悪くなったり、便通の回数が増えたり減ったり、便が硬くなったり軟便になったりする場合に診断される。

生活に支障をきたす「下痢型」

 実は、およそ10人に1人とも言われる、よくある病気だ。便秘型と下痢型、両方を繰り返す混合型もある。女性では便秘型の方が多いと言われており、症状について特段気にしていない人も見受けられる。一方、下痢型の場合は、生活上支障を来す場合も多く、来院されることが多いようだ。

 Dさんは下痢型で、症状がつらく非常に困っていらした。整腸剤を含めていくつか薬があるため、試してもらう中で、Dさんには「セロトニン受容体 拮抗(きっこう) 薬」という種類のお薬が合うことがわかった。最初は下痢止めを一緒に使ってもらっていたが、それも徐々に不要になっていった。お腹の苦痛がとれたことで、Dさんはすっかり元気になったように見えた。

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に「オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方」(すばる舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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