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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

 思春期から妊娠・出産、更年期と、変化していく女性の体は様々な健康リスクに見舞われます。そこに、子育てや人間関係のストレスも重なって……。各年代の女性に特有な心身の悩みを乗り切るには、何に気をつければいいのでしょうか。健康診断や会社員のメンタルヘルスにも取り組む開業医、常喜眞理さんが答えます。

妊娠・育児・性の悩み

繰り返す腹痛に悩む30代の女性教師 授業中はトイレに行けず…過敏性腸症候群

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お酒や香辛料は控えて

 腸の動きは自律神経とも関わっており、調整はなかなか難しい。Dさんのようには効果が表れない方もいる。原因として明らかに何らかの心理的なストレスがある場合は、下痢止めや整腸剤に加え、腹痛を和らげる抗うつ薬などを一緒に使うことで、なんとか生活できるようになることもある。

 なんでもストレスで片付けるわけにはいかないが、体は常に外的な環境変化に合わせようと頑張っているので、なるべく体の負担を減らすよう、規則正しい睡眠と食事を心がけたい。

 お酒や香辛料は下痢を引き起こすので、できる限り控えよう。食事療法には、海外で勧められている低FODMAP(フォドマップ)食という方法がある。FODMAPというのは発酵性の高い糖類を意味する。例えばニンニク、タマネギ、豆類、小麦などは高FODMAP、つまり避けた方がよい食品とされる。

大腸がんなどが潜むことも

 腹痛・下痢の原因には、薬の副作用も挙げられる。例えば胃酸を抑える薬などの服用や、月経不順の人が服用することがある 加味逍遥散(かみしょうようさん) という漢方薬の長期服用によっても腹痛・下痢などの症状が起きることがあるから、注意が必要だ。また、ときには大腸がんや大腸の炎症性の病気の場合もある。症状が続いている場合は大腸内視鏡検査を一度受けてほしい。(常喜眞理 医師)

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に「オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方」(すばる舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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