認知症×発達障害 岡崎家のトリプルケア
介護・シニア
「延命措置は不要」で、本当にいいの!? サインする手が震えます…

漫画・日野あかね
1年がかりで施設に入所
父さんの今後の生活を託す施設を探して約1年。5月下旬に、地元の特別養護老人ホームに入ることができました。
入所の順番を待つうちに状況が二転三転したうえ(その間の紆余曲折は、旧連載「認知症介護あるある~岡崎家の場合~」をご参照ください)、コロナ禍で一時は見通しが立たなくなっていたのですが、ありがたいことに、最初に第1希望と考えていた施設に落ち着く結果となったのでした。
入所当日は、施設の入り口でスタッフが待ち構えていました。3段の整理ダンス二つ分の荷物を素早く台車に積み込むと、「では、岡崎さんのお部屋へ行きましょう」と、父さんを促します。感染予防のため、私はこの先の居住スペースには入れません。施設に到着して1分もしないうちに、父さんがエレベーターの扉の向こうに消えていきました。
「父さんの最期」(仮)を選択
何とも素っ気ない親子の別れの後、私は手続きのため、会議室へ。入所契約書や重要事項説明書など、いくつもの書類が出てきて、施設のケアマネジャーが一つひとつ説明してくれます。次々とサインをしていったのですが、途中で「うーん」とうなって手が止まってしまいました。
そこには、ざっくり言うと「施設で最期を迎えたいので、回復不可能な状態に陥ったときに延命措置を受けない」ということが書かれており、それを「承諾する」か「承諾しない」かを選ぶようになっていたのです。「承諾しない」場合は、医療機関に救急搬送されるとあります。
母さんは、20年近く前に卵巣がんになったとき、「私に万が一のことがあっても、延命措置は受けない!」とはっきりと言っていましたが、父さんの意思を聞いたことはありません。「それ、いま私が決めるの?!」と激しく動揺してしまいました。
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