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医療・健康・介護のコラム

「健口」で健康(17)むし歯、歯周病は生活習慣病

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 このシリーズでは、予防歯科学が専門の大阪大歯学部教授、天野敦雄さんに聞きます。(聞き手・佐々木栄)

「健口」で健康(17)むし歯、歯周病は生活習慣病

 口の2大疾患であるむし歯と歯周病。実は、どちらも感染症という側面を持ちます。

 むし歯菌として知られる「ミュータンス菌」は、1歳頃から家族の唾液を介してうつります。歯周病菌の代表格「ジンジバリス菌」は主に大人が、家族やパートナーの間で感染します。いったん感染すると、どんな抗菌薬や殺菌剤を使っても追い出せず、一生の付き合いになります。病原菌が口にすみついているかどうかは、「健口」を守る上で重要な情報です。

 M美さん(33)は、大学の歯学部付属病院に掲示してあったポスターを見て、将来の歯周病発症を予測できる「 口腔こうくう 細菌検査」を知りました。外来で採取したプラーク( 歯垢しこう )を調べ、1週間で結果が出ます。公的医療保険は使えず、費用は約1万円。歯磨きで出血するのが気になっていたため、思い切って検査を受けてみました。

 その結果、ジンジバリス菌の中でも最もたちの悪いタイプが検出されました。落ち込むM美さんに、担当医は「大丈夫です。予防歯科を年に3回、定期受診してください。歯磨きをしっかりすれば発症は防げます」と説明してくれました。今では、検査で早めにリスクが分かってよかったと思っています。

 悪玉菌がいれば必ずむし歯や歯周病になるわけではありません。どちらも生活習慣病です。歯磨きや食事のほか、運動、睡眠時間、ストレスなど発症要因は様々です。米国では「生活習慣病の治療は、患者が主治医」という考え方が主流となっており、むし歯や歯周病についても同様です。

 生活習慣を管理できるのは、あなた自身。口腔細菌検査は発症リスクを知る有効な手段になります。興味があれば、かかりつけの歯科医に尋ねてみてください。

【略歴】
 天野 敦雄(あまの あつお)
 大阪大学歯学部教授。高知市出身。1984年、大阪大学歯学部卒業。ニューヨーク州立大学歯学部博士研究員、大阪大学歯学部付属病院講師などを経て、2000年、同大学教授。15年から今年3月まで歯学部長を務めた。専門は予防歯科学。市民向けの講演や執筆も多く、軽妙な語り口・文体が好評を得ている。

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