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手軽で便利なサプリ、でも本当に必要なの? 管理栄養士が「頼りにする」補助食品や機能性食品とは
先日、栄養指導で訪問したお宅で「カップラーメン」の話題になりました。その患者さんはうどんタイプのカップ麺が好きで、「私も、カップラーメンを時々食べますよ」と話したら、「管理栄養士でも?」と驚かれてしまいました。
世間のみなさんからは、管理栄養士は毎日、栄養バランスのいい「手作りの食事」を取っているイメージなのでしょうね。しかし、忙しくてインスタントラーメンしか食べられない日もあれば、つい食べ過ぎて胃もたれし、寝込んでしまうこともあります。また、食事でどの程度の栄養を取れているか自覚があるので、不足していると予想できる栄養素はサプリメントなどで補うこともあります。今回は、私が「頼りにしている」補助食品や機能性食品についてご紹介します。
妊娠期に「葉酸」を飲み始めて
私は2008年の11月に第1子となる長女を出産しました。結婚して約2年が経過し、子どもが欲しいと思っていた2008年に入ってから、毎日飲んでいたサプリメントがあります。胎児の発達に不可欠なビタミン「葉酸」です。「葉酸」はレバーや葉物野菜、ブロッコリーなどのほか、枝豆などにも比較的豊富に含まれています。妊娠する前は病院で常勤の仕事をしており、遅くに帰宅すると簡単に食事を済ませることも多く、葉酸の確保が難しいと感じていました。葉酸は、妊娠初期に重要な栄養素であり、妊娠する前からサプリメントで摂取した方がよいと考えていました。しかし、葉酸には過剰症のリスクもありますので、その日の食事内容によって「今日は十分に取れているな」と思った日は、飲まないこともありました。
クリニックで過剰摂取の分量のサプリを出されて
サプリメントを摂取する場合に注意していただきたいのは、「ビタミンやミネラルは、取れば取るほど健康になれるわけではない」ということです。パッケージの記載をよく確認して、飲みすぎないように気を付けてください。
以前、ある患者さんが自由診療のクリニックで血液検査をしたところ、「さまざまな栄養素が足りない」と指摘され、そのクリニックが独自に調合した高額なサプリメントの購入を勧められて、毎日飲んでいたことがありました。なんと片手がいっぱいになるほどの量でした。私は、サプリメントの成分量と、その患者さんが一日に摂取していた栄養量を確認したところ、「許容上限量」(※)を大幅に超えて、毎日飲んでいたことが分かりました。採血結果で不安をあおり、大量のサプリメントを飲ませるなんて、恐ろしいことです。
※ 許容上限量 とは、健康被害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限のこと。これを超えて摂取すると、過剰摂取によって生じる潜在的な健康障害のリスクが高まると考える(「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より)。
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