田村専門委員の「まるごと医療」
医療・健康・介護のコラム
「香害」被害者の声を聞いて
「香害をなくす連絡会」が9000人アンケート
「登校し教室に入ると、頭痛がして目もチカチカし授業に集中できない。吐き気もあり給食が食べられない。保健室も他の子の香料(のにおい)があり行けない」(10歳未満の女性)、「(職場の)同僚にお願いすると、『あなたの弱い体質に合わせて洗剤、柔軟剤を変える筋合いはない』と言われました。受動喫煙と同じ状況だと思います」(30歳代女性)。
日本消費者連盟などでつくる「香害(こうがい)をなくす連絡会」は7月、「香害」についての9000人を超すアンケートの結果をまとめ、発表した。同会によると、香害とは、柔軟剤や消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの主に強い香りを伴う製品による健康被害のことで、体臭は含まれない。2017年に同連盟が電話相談「香害110番」を実施したのをきっかけに連絡会を結成し、活動を続けてきた。
休学や休職、退職した例も
記者会見した日本消費者連盟事務局の杉浦陽子さん、同連盟洗剤部会の平賀典子さんによると、アンケートは2019年12月から20年3月にかけて主にインターネットなどで実施。9000人を超える回答があった。関係者を通じて呼びかけたアンケートであるため、全体の割合を示すとは言えないが、回答者の約8割が体調不良を経験し、そのうち、休職や退職、学校の欠席や休学を経験した人は約2割いた。具合の悪くなる原因で多かったのは、柔軟剤、香り付き合成洗剤などで、具体的な症状は頭痛、吐き気をはじめ、多岐にわたり、場所は乗り物の中や店などが多かった。
学校や仕事に支障があったと答えた約1200人には、具体的な状況を記述してもらった。冒頭で紹介した声もその一部だ。このほか、「患者が持ち込む柔軟剤や整髪料、香水、制汗スプレーなどの香料が原因で化学物質過敏症を発症した」(鍼灸(しんきゅう)院を営む40歳代男性)、「突然夜中から朝まで原因不明の強いせきが出始めた。当初は重症のせきぜんそくの治療をしたが改善せず、職を失った。翌年、化学物質過敏症と診断された」(40歳代女性)など、医療機関にかかった経験を持つ人も少なくない。転職や退職を余儀なくされた例や子どもでは不登校や幼稚園などに行けなくなったという人も。通院すらできない状態であるとか、ほぼ寝たきりの状態という声もあったという。
回答内容を分析した平賀さんは「香りで具合が悪くなる人は、人が集まるところに出ることができなくなることもあって、なかなか社会にこの問題が伝わっていないのが現状。アンケートに寄せられた声にはとても熱いものがある」などとして、多くの声に耳を傾けてほしいと述べた。また杉浦さんも「香害による健康被害は特定の人たちに起こるものではなく、いつ誰に起きてもおかしくない問題であることをぜひ理解していただきたい」などと訴えた。
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