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町田忍の昭和回想

回想サロン

床のなか 朝の配達 瓶の音

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 昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。
 記事の最後にコメント欄がありますので、よろしければ、あなたの懐かしい思い出を投稿してください。

牛乳受け箱

 宅配の牛乳は牛乳受け箱に届けられる。かつての我が家には、木製の受け箱があった。子供の時分、朝起きると、玄関先に牛乳と新聞を取りに行くのはわたしの仕事だった。あの頃は朝、納豆売りに豆腐売り、アサリ・シジミ売りもやってきて、ずいぶんとにぎやかだった。メーカーのマークが入った牛乳の受け箱に使用済みの瓶を前日までに入れておくと、朝、配達に来たおじさんが回収し、新しい牛乳を入れてくれた。その音で目を覚ますこともしばしば。家族4人、2本の牛乳をコップに入れ、定番の卵料理とパンの朝食をとった。この箱も木からプラスチックに変わったけど、紙パックに入った牛乳が普及したせいか、あんまり見なくなったなあ。

 

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machida_shinobu_prof

町田 忍(まちだ・しのぶ)
1950年、東京都出身。庶民文化研究家、エッセイスト。銭湯や缶ジュースなど100を超える研究テーマを持つ。著書に「町田忍の手描き看板百景-美あり珍あり昭和あり-」(東海教育研究所)、「戦後新聞広告図鑑」(同)、「マッカーサーと征露丸」(芸文社)、「銭湯 『浮世の垢』も落とす庶民の社交場」(ミネルヴァ書房)など。

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