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透析導入患者の21%が「後悔」

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 透析治療中の成人腎不全患者397例を検討した結果、21%が透析の導入を後悔していたと、米・University of RochesterのFahad Saeed氏らがClin J Am Soc Nephrol( 2020年6月4日オンライン版 )に発表した。特に、医師や家族を安心させようとして透析を選択した患者は、後悔している割合が高かった。

社会人口統計学的因子とは関連せず

透析導入患者の21%が「後悔」

(C)Getty Images ※画像はイメージです

 患者はしばしば治療に関する自身の決断を振り返って後悔し、これによりQOLに悪影響が及ぶことがある。腎不全患者の多くは移植を受けられずに透析を導入するが、治療選択の満足度を検討した研究はほとんどない。

 Saeed氏らは、米・オハイオ州クリーブランド周辺の7施設で透析治療中の成人患者を対象に、慢性腎臓病(CKD)に関する知識、CKD治療への姿勢、終末期治療に対する考えなど41項目のアンケートを実施。450人中423人が研究に同意し、397人が「透析の導入を決めたことを後悔していますか?」という問いに回答した。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて透析導入の後悔の予測因子を解析した。

 その結果、397人中82人(21%)が「透析導入を後悔している」と回答した。

 後悔していると回答した割合は、”医師や家族を安心させるために透析を選択した”患者で有意に高く〔オッズ比(OR)2.34、95%CI 1.27~4.31、P<0.001〕。”余命に関して医師と予後を話し合った”(同0.42、0.18~0.98、P=0.03)患者および”リビングウィル(終末期に関する生前の意思表明)を持っている”(同0.48、0.25~0.95、P=0.03)患者で低かった。

 一方、年齢、性、婚姻状況、人種、学歴などの社会人口学的因子との関連は認められなかった。

後悔を軽減する3つの戦略を提案

 今回の対象において、透析導入への後悔が一般的に見られた。Saeed氏らは「後悔には、社会人口統計学的因子ではなく、修正可能な治療プロセスが有意に関連していた」と指摘し、透析導入を決断する際は、それらの影響を説明できる専門家との話し合いを持つことが重要だと強調。

 患者の後悔を軽減する具体的な戦略として、<1>透析以外の保存的管理あるいは積極的治療管理など、透析の代替方法について教育する<2>患者やその家族の選択を助けるため、透析導入の有無による余命とQOLに関して腎臓専門医が詳細な情報を提供する<3>患者とその医師が余命とリビングウィルについて議論する―の3つを挙げている。(木下愛美)

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