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がんを語る

医療・健康・介護のコラム

AYA世代のがん(下) 家族や職場の友人らに支えられ 次の世代に闘病経験を伝えたい

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恋人から「距離を置きたい」と告げられ

――恋愛や結婚、子どもを持つことなどについて伺えますか。

AYA世代のがん(下) 家族や職場の友人らに支えられ 次の世代に闘病経験を伝えたい

瀬尾  がんに関係なく、自分はそもそもの交友関係が狭すぎて、ご縁がないっていうところはありますけど(笑)、その時になったら普通に伝えるんだろうなという感じはしています。自分も治療によって精子がなくなるのではという話があって、凍結保存の話も当然出たんですけど、寝たきりになるぐらい腰が痛くて、正直それどころではなかったので、保存はしませんでした。いずれがんの治療が終わった時点で、子どもができるのかどうかは正直わからないのですが、そうなった時に考えるというところです。

中村  私の場合は、精子自体がほとんどないとわかった上で保存をしました。付き合ったり結婚したりする上では、そういったことも伝えなくてはと思います。相手の女性からすれば、結婚して子どもがほしいと思うのは当たり前のことだと思うので。それがもし、別れる理由になるのであれば、それはその相手の方の幸せという問題なので。自分には子どもをつくることができないかもしれないけど、それでも認めてくれる、受け入れてくれる方と、お付き合いできて、結婚できるならいいのかなと思います。

川元  中学生まで保育士を目指し、高校の国語の教員免許も取得しており、週末は留学生や外国籍の子どもにボランティアで日本語や勉強を教えるほど、子どもが大好きです。将来的には双子のママになりたいって言っていたほどです。そういった夢もありつつ、仕事人間だったのですが、そろそろ(結婚についても)考えなさいと周囲からも言われていた頃に、ちょうどがんが見つかりました。卵子凍結や卵巣凍結は先生方と徹底的に相談しましたが、告知時は恋人もいなかったため、自然に任せようと考えました。

 ただ、病院で赤ちゃん連れのお母さんや妊婦さんたちの姿を目にし、がん治療よりも、子どもの話になると泣く私を心配して、卵子凍結を勧めてくれたのは母でした。がんの治療を早く進めたかったことや、若いので生理が戻る可能性が高いといったアドバイスに加え、がん治療後に結婚して自然に妊娠している先輩方の存在を知り、自分が納得した上で、卵子凍結には1回挑戦しただけで結局はしませんでした。がんを告知された時には、恋愛や結婚、子どもに関しては、もう諦めようと正直思っていました。性格的に自分が愛する人には幸せになってほしいし、つらい思いをさせたくないという思いも強かったからです。もし、告知時に恋人がいたら自分から別れを告げていたと思います。

 治療が一段落して日常の生活が戻り、さらに新型コロナの影響もあって、家族の絆の強さを改めて強く感じるようになりました。恋愛や結婚より仕事を選択した過去もあり、仕事を優先していた自分にとって、家族を持ちたいという気持ちはより強くなりました。子どもは授かり物ですし、結婚もご縁ですが、一生添い遂げてくれる人が現れたら、結婚して、笑顔があふれる温かい家庭を築きたいなと考えています。欲張りかもですが一人でもいいので子どもを授かれたらうれしいです。

渋谷  私は告知を受けた時、恋人がいて、救急搬送された頃から悪性腫瘍だとわかった頃まで、とても支えてもらったと感じています。けれど、悪性だとわかったタイミングで、彼の方から距離を置きたいと言われて、それ以来、連絡がつかずに今に至ります。距離を置かれたタイミングが、ちょうど卵子凍結するかしないかという決断を自分がしなきゃいけないときでした。病院に行って先生の話を聞くだけでつらい思いがして、正直あまり前向きになれませんでした。再発率も高く、将来子どもができたとしても育てていけるのか、不安もありました。そういったことが重なって、卵子凍結は諦めて治療に専念することを決めました。

 抗がん剤の副作用のために、1クール目が終わった頃から生理は止まってしまったんですが、今年に入って戻ってきました。将来妊娠できるかどうかは、正直わからない面があります。今後、恋愛をしていくにしても、そういう可能性があることを相手にはお話ししなきゃと思うし、それを理解してくれる方だとしても、その方のご両親はなんて思うだろうとか、考えます。今はまだ、自分の恋愛を後押しできないというか、ふっ切れなくて、正直恋愛には前向きにはなれません。ただ、将来そういうことを理解してくれる方、人生を一緒に過ごしていける方と出会えたらいいなと思います。

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男性の3人に2人、女性の2人に1人が、がんになる時代です。このコーナーでは、がん種別に患者や経験者を招き、病との向き合い方を話し合います。
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