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がんを語る

医療・健康・介護のコラム

AYA世代のがん(上) 若年性の患者が語る 告知、治療、そして仕事、恋愛、家族への思い

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診断がつくまでに病院を転々

――希少がんだったり、年齢的にも珍しいがんだったりと、診断がつくまでに時間がかかって大変だったと聞きました。

渋谷  友人と居酒屋で飲食をした後、飲んだ量からは考えられない、ひどい二日酔いのような症状になって、それが2、3週間たっても治りませんでした。逆流性食道炎の疑いと診断された後、別の消化器内科ではストレスからくる機能性ディスペプシアだと診断され、薬もいろいろ試しましたがよくなりませんでした。食事がほとんど取れず、15キロくらいやせてしまい、立っていることが精いっぱいな状態で、ついには自宅のトイレで動けなくなって救急搬送されたという次第です。

 手術が決まったときに、MRIとCTの画像を見せてもらいましたが、左の健康な腎臓と比べて、右の腎臓が2倍ほどに膨れ上がっていて、素人が見ても、さすがによくないものがおなかにいるんだなというのが、一瞬にしてわかりました。腫瘍を取ってみないと悪性か良性かはわからないとのことで、手術を受けて1か月ぐらいは病名がつかず、次の治療にも進めず、とても不安な日々を送りました。希少がんとわかり、専門の病院に移って改めて病理検査を行い、結局、手術から抗がん剤治療を始めるまでに2か月ぐらいかかりました。悪性ラブドイド腫瘍についての説明も、そこで詳しく聞きました。

瀬尾  私の場合は、とにかく腰の痛みがひどくて、整形外科に通ってもよくならず、ずっと我慢しながら仕事にも通っていました。若いし、そのうち治るでしょうといった感じだったのですが、ある時、朝起きてトイレに行く途中で倒れて動けなくなって救急車で運ばれたこともありました。親からも、さすがにこれはおかしいと言われ、病院で血液検査をしてもらったところ、2、3日後に「すぐ来てほしい」と連絡がありました。紹介された地元の内科で、おそらく多発性骨髄腫でしょうと告げられました。

 ただその時は、多発性骨髄腫と聞いてもピンと来ていませんでした。紹介された大学病院で詳しい検査を受けた結果、腰の痛みは骨を壊す破骨細胞が働きすぎて骨粗しょう症のような状態になっていたせいで、腎臓にも負担がかかっていて人工透析の一歩手前のような病状であるとの説明を受けました。

中村  精巣腫瘍は、はっきりした症状がないので見つかりにくいがんだと思いますが、私の場合は奇跡的に精巣に近い場所に炎症が起きて、座るだけで痛みがあったために、比較的早く見つかったと思います。痛みは薬を飲んですぐ治ったのですが、念のためレントゲンを撮ってみてはと医師に勧められ、腫瘍が見つかりました。精巣腫瘍という病気はそれまで全く聞いたことがなく、医師にレントゲン写真を見せられながら説明を聞いた時には、頭が真っ白になりました。親族にもがんで亡くなった人はいないし、がんと言われてびっくりしました。

川元  私の場合、若年性の乳がんそのものが珍しい上に、近い親族にも乳がんの人はいませんし、自分で胸にしこりを見つけた時はショックでした。洗濯機の奥のものを取ろうとして、たまたま角に胸のしこりが当たって見つかったんです。すぐに検査に行きましたが、土日やゴールデンウィークを挟んだこともあって結果が出るまで時間がかかり不安でした。半年前の会社の健康診断では異常はなく、告知を受けた時は言葉で表せない感情になり、涙が一筋流れるくらいでした。事前にいろいろ調べていたので「ああ、やっぱり」という感じではあったのですけど。病院では母が一緒に告知を受けてくれ、その後、カフェで一気に感情が出た時に、あふれる思いを母が全力で受け止めてくれて助かりました。父も医療関係に勤めていた経験があるため、冷静でした。告知後、会社の上司にすぐ伝えたほか、友人たちにもLINEのタイムラインで報告しました。がんと告げられたこと以上に、将来、子どもを持てなくなるのではと思い、一気に思い描いていた夢が壊された感じでショックだったことを覚えています。

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男性の3人に2人、女性の2人に1人が、がんになる時代です。このコーナーでは、がん種別に患者や経験者を招き、病との向き合い方を話し合います。
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