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コロナ治療薬の「特許権プール」、国際機関仲介で大量生産…首相がG7で提案意向

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 安倍首相が創設を提唱する新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の製造に関する「特許権プール」の仕組みが分かった。製薬会社が特許権を持つワクチンを安価で大量に供給できるよう、国際機関が仲介して途上国などのメーカーと製造法を広く共有する。日本としては世界の感染拡大を抑え、来夏の東京五輪・パラリンピックの開催につなげたい考えだ。

 新薬は通常、開発した製薬会社が特許権を有し、一定期間は独占的に製造・販売することができる。他の企業はライセンス契約を結び、特許使用料を払わなければ製造できない。新型コロナウイルスでは、製薬会社がワクチン開発に多額の資金を投入している。このため、販売価格や特許使用料が高額となり、途上国ではワクチンが十分行き渡らない事態が危惧されている。

 これに対し、特許権プールは国際機関が特許権を管理・保護し、製薬企業と他のメーカーのライセンス契約を仲介する仕組みで、特許使用料を抑えることできる。エイズや結核の治療薬で導入実績があり、国際機関「ユニットエイド」が仲介役を担っている。フランス政府などの提案で2006年に設立された機関で、主に途上国で医薬品を入手しやすくする活動などを行っている。新型コロナウイルスのワクチンでも同機関を活用するとみられる。

 首相は5月の記者会見で「治療薬やワクチンを透明性の高い国際的な枠組みのもとで、途上国も使えるようにしていく」と述べ、特許権プールの創設を先進7か国(G7)による主要国首脳会議(サミット)で提案する意向を示していた。日本政府内では、特許使用料の一部をG7などが負担する案も浮上している。

 ただ、課題もある。特許使用料が低く抑えられれば、製薬会社は参加に二の足を踏む。途上国の企業に十分な製造能力があるかも不透明だ。先進国がワクチンを大量購入して提供するなど他の流通ルートを検討する必要もありそうだ。

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