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肺炎にも種類があるの?
細菌、ウイルス 薬も違う
Q 新型コロナウイルスに感染して肺炎で亡くなる人が多い。肺炎ってどんな病気?
ヨ 肺は空気を吸い込み、酸素を体に取り入れて体内の二酸化炭素を排出しています。空気に含まれる粉じんや細菌、ウイルスは、鼻毛や線毛などで体に入るのを防いでいますが、すり抜けて入ってしまうと、体を守る免疫機能が働いて肺に炎症が起きます。
Q 肺に炎症……肺炎だね。
ヨ 細菌で炎症が起きると、傷口がジュクジュクするように、肺の組織や細胞から体液が染み出し、毛細血管に囲まれた肺胞という小さな袋が体液で満たされます。CT(コンピューター断層撮影法)の画像だと、白く写ります。肺は、仕事ができなくなります。高熱が出て息苦しくなり、 咳 や、色のついた 痰 もみられます。
Q 新型コロナの肺炎は?
ヨ ウイルスが肺胞の細胞に入ったり、免疫機能が暴走したりし、肺胞と肺胞の間(間質)や血管壁にも炎症が起きます。間質が傷ついて硬くなり、膨らみにくくなります。空気も入りにくくなるようです。CT画像では、すりガラスのように見えます。肺の血管が血の塊で詰まることも。新型コロナでは、国内で約1000人が亡くなっています。
Q 治療薬ができたよね?
ヨ 「レムデシビル」が国内で初めて認められました。エボラ出血熱の治療のために開発されました。重症患者が対象です。細菌が原因の肺炎には、抗菌薬があります。
肺炎は元々、亡くなる人の多い疾患です。厚生労働省によると、2018年に日本で亡くなった人の死因は、1位ががんで約37万人、2位が心疾患約21万人、3位が老衰約11万人で、肺炎は約9万5000人で5位、食べ物などと一緒に細菌が気管に入って起こる 誤嚥 性肺炎は約3万8000人で7位でした。
Q 予防するには?
ヨ 肺炎の原因菌で最も多い肺炎球菌やインフルエンザウイルスにはワクチンがあり、予防接種ができます。新型コロナにはワクチンがなく、一般的な感染対策が予防策です。手洗いやマスクの着用に加え、密閉・密集・密接の「3密」を避けましょう。
(鈴木希/取材協力=迎寛・長崎大学呼吸器内科教授、大石和徳・富山県衛生研究所長)
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