街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー
医療・健康・介護のコラム
車いす使用者、視覚障害のある人…新型コロナ感染を防ぐ「介助の新しい様式」は?
「マスクとビニール手袋をしていますのでご安心ください」
視覚障害者に対する歩行介助は、本来は自分の肩やひじに手を添えてもらって案内する「手引き誘導」が一般的です。その際は、接触感染、飛沫感染を防ぐため、マスクやフェイスシールド、手袋の着用をするといいでしょう。ただ、視覚障害者は、相手がどのような対策をしているか確認できていないかも知れません。「感染症対策のため、マスクとビニール手袋をしていますので、ご安心ください」など説明しましょう。肩やひじを持ってもらうときには、「お客様の安全のため」と説明し、ペーパータオルを間に挟むか、手袋をしてもらうようお願いしてもいいでしょう。マスクの着用をお願いすることも失礼には当たりませんが、人によってマスクをしない、できない事情があるかも知れませんので、対話が必要です。
金銭授受の際、直接の手渡しを避け、金銭トレイを使用しているお店も増えて来ました。しかし、トレイのどこにお金がおいてあるか分からなかったり、一度にまとめて渡されることで、お札や貨幣の識別するのに時間がかかることもあります。時計の文字盤に例えて、「千円札をトレイの12時の方向に置きました」などと説明をしたり、「まずお札からお渡しします」などと、順番にお渡ししたりといった工夫も必要です。
新型コロナウイルスの影響で、今までの方法を見直す必要が生じてきています。人との接し方にマニュアルはないと考え、柔軟に、その人に合わせた応対をしていきたいですね。(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)
このコラムでは、サービス介助士の学びから高齢な方や障害のある方のお手伝い方法をお伝えする他、認知症や災害時のお手伝い方法など、これからの生活で身に付けていただきたいことをご紹介していきます。
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