パーキンソン病 検査法は?
最近よく転ぶようになり、MRI(磁気共鳴画像)検査をしました。異常はないものの、医師からパーキンソン病を疑った方がいいと説明されました。体のコントロールができなくなったり、手先が不器用になったりしたようにも感じます。どんな検査や治療法があるのでしょうか。(76歳女性)
脳内物質、心臓の自律神経調べる
武田 篤 国立病院機構仙台西多賀病院長(仙台市)
パーキンソン病の多くは、手足が震える、体がこわばる、転びやすい、動作が遅くなるといった運動症状で始まります。60歳以上で発症しやすく、元気が出ない、便秘がち、立ちくらみや寝言が多くなる、においが分かりにくくなるなどの症状も特徴です。
診断では、よく似た症状を示すほかの病気を除外しますが、これらの病気も含めて「パーキンソン症候群」と総称されます。例えば、薬剤の副作用でパーキンソン症候群をきたすこともあり、その場合は原因となる薬剤を止めることが重要です。
現在、パーキンソン病を確実に診断できる検査はありませんが、ほかの病気と区別する目的で検査をすることがあります。
CT(コンピューター断層撮影法)やMRIをはじめ、脳内のドーパミンという物質の働きを評価する「DATスキャン」、心臓の自律神経を調べる「MIBG心筋シンチグラフィー」などが使われています。
パーキンソン病は、DATスキャンでドーパミンの低下が確認され、MIBG心筋シンチでは自律神経の障害が見つかることが多いです。診断されれば、不足しているドーパミンを薬物で補充する治療を進めます。運動療法も取り入れ、体の動きの改善を目指します。