文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知りたい!

医療・健康・介護のニュース・解説

子どもの予防接種 先延ばし…防げる病気 感染の恐れ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 新型コロナウイルスへの感染を心配して、医療機関の受診を控える動きがある。保護者が、子どもの予防接種を先延ばしするのもその一つだ。接種漏れにつながれば、防げたはずの感染症にかかるおそれがある。専門家は、「スケジュール通りに受けることが大切」と呼びかける。(鈴木希)

子どもの予防接種 先延ばし…防げる病気 感染の恐れ

 今年4月、大阪府の花井直子さん(25)は、長男(生後4か月)の予防接種の予約を変更すべきかどうかで悩んだ。肺炎球菌やB型肝炎など5種類を同時に接種する予定だった。

 だが、予約日の数日前、かかりつけの病院で新型コロナの院内感染が起きた。

 「子どもに感染しないか心配。でも、予防接種を受けないことも、命の危険にさらすことになる」

 不安が拭えず、病院に問い合わせてみた。一般の診療とは別にワクチン専用の時間帯を設け、玄関で検温するなどの予防策が徹底されていることが分かり、心が落ち着いた。

 「接種の予定が次々控えていて、タイミングを逃すのは怖い。予定通り受けられて良かった」と振り返る。

  74%に落ち込む

 小児科医らで作るNPO法人「VPD(=ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろうの会」は5月、新型コロナの感染拡大前後で、接種率がどう変化したかをまとめた。

 生後2~6か月に3回受けるのが望ましい肺炎球菌ワクチンについて、同会のアプリに登録する約8万人分のデータを解析した。生後3か月の時点で、初回の接種記録がある割合は、通常は95%程度だが、直近で74%に落ち込んだ。

 会員医師への調査では、接種した子どもの延べ人数は、前年同月より、3月は4%減、4月は7%減にとどまった。同会は、医師の呼びかけで、接種を控える傾向をある程度抑えられたとみている。

 また、9割以上の医療機関で定期的な換気を取り入れるなど、念入りな感染対策を講じていた。

 同会理事長で「すがやこどもクリニック」(東京都板橋区)院長の菅谷明則さんは、「信頼できるかかりつけ医を見つけ、よく相談しながら接種スケジュールを確認してほしい」と話す。

  日程管理にアプリ

 今、初めての予防接種を迎える乳児もいる。地域のかかりつけ医を探すには、各自治体がまとめる「予防接種協力医療機関」のリストが参考になる。複数のワクチンを同時に接種することや、任意のワクチン接種を勧めるかなど、医師の考えは様々ある。事前に確認しておくと安心だ。

 ワクチンの接種時期や回数は、病気にかかりやすい時期や安全性などを考慮し定められている。乳幼児期は、接種が集中するため、うっかり忘れてしまうこともある。日程の管理ができるアプリも役立つ。

 新型コロナ禍で接種を先延ばしにした影響は、出始めている。日本小児科医会には、予防接種を控えていた子どもが、百日せきに感染、重症化したケースが報告されたという。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)感染症部長の岩田敏さんは、「本来防げる病気で子どもに重い症状が出ないよう、接種できる時期になったら、速やかにワクチンを受けることが大切です」と訴える。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知りたい!の一覧を見る

最新記事