教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
家の中で熱中症になるの?
高齢者 暑さ感じにくい
Q 暑くなったね。熱中症が心配。家で過ごそう。
ヨミドック 高温多湿の場所や激しい運動の後、体外にうまく熱を逃がせなくなると、めまいやだるさ、意識障害などの症状が出てきます。熱中症です。総務省によると、昨年5~9月、全国で7万人以上が救急搬送され、126人が亡くなりました。日中の暑い時間帯の外出はできるだけ避けた方がいいですね。でも、家でも熱中症は起こるんです。
Q 家の中でも?
ヨ 東京消防庁によると、昨年夏、熱中症で救急搬送された人の約4割が、敷地を含む「住居」からでした。家の中でも、日光が差し込んだり、風通しが悪かったりすると、熱がこもり危険です。
Q 扇風機やエアコンがあるよ。大丈夫。
ヨ 高齢者は、暑さを感じにくくなる傾向があります。自分の感覚を過信せず、リビングなどに室温計を置き、チェックできるようにしてください。例えば、28度のところにマークをつけ、超える場合は、エアコンを使いましょう。
今年は特に、新型コロナウイルス感染症の影響で、春先から自宅で過ごしてきた人が多いでしょう。暑さに慣れていないので、うまく発汗できずに、体に熱がこもりやすくなっている可能性があります。外出の機会が少ない人は、お風呂につかって、うっすら汗をかくだけでも、体を慣らす練習になります。
Q エアコンがない時は?
ヨ 2方向以上の窓を開け換気を十分にして、風が通りやすい服装を心がけましょう。窓際にすだれをかけたり、ゴーヤなどを植えたりして、日陰を作るのも効果的です。
それと水分補給。高齢者は、のどの渇きを感じにくい人もいます。決まった時間に水分をとりましょう。一番は体調を整えておくことです。
Q 寝不足はだめだね。
ヨ 二日酔いや、下痢などの時もなりやすいんですよ。
Q 熱中症の危険信号は?
ヨ 立ちくらみや食欲がない、元気がないなど様々です。自分や家族が早めに気づくのが難しい場合もあります。何より予防が大事です。
(影本菜穂子/取材協力=三宅康史・帝京大病院高度救命救急センター長、野本茂樹・東京都健康長寿医療センター研究所協力研究員)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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