常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
思春期から妊娠・出産、更年期と、変化していく女性の体は様々な健康リスクに見舞われます。そこに、子育てや人間関係のストレスも重なって……。各年代の女性に特有な心身の悩みを乗り切るには、何に気をつければいいのでしょうか。健康診断や会社員のメンタルヘルスにも取り組む開業医、常喜眞理さんが答えます。
妊娠・育児・性の悩み
「右足を刺されたのに左足まで発疹」なぜ?…蚊に注意 危険なウイルスも媒介
私も高熱、震え…デング熱だった?
私にも、蚊に刺されてひどい目にあったことがある。その頃、休日のたびに、子どもを連れて公園に行っていた。もともと蚊に刺されやすい体質なのだが、当時は対策にあまり気を配っていなかった。ある夏の日、高熱とひどい頭痛に見舞われた。熱は38.5度から40度近くを行ったりきたり。震えが止まらなくなり、起き上がっていることができず、結局、2週間ほど仕事を休まざるを得なかった。
当時はまだ、国内での発症が認知されていなかった感染症だが、その時の自分の血液検査結果や症状・経過を見直すと「デング熱」だったのではないかと推察される。実際、数年後には同じ公園で、国内発症のデング熱が認知され、話題になった。デング熱は、蚊が媒介するウイルス感染としては、アジア地域でよく知られている病気だ。
日本脳炎もまだ“健在” 定期接種は必ず受けよう
リオ五輪の時に話題となった「ジカ熱」も、蚊が媒介するウイルス感染で、妊婦がかかると胎児に小頭症などが生じることがある。また、「日本脳炎」はもう日本にないと思っている方もいるが、そんなことはない。ウイルスを持った蚊の状況は、毎年、豚の感染状況で調べられているが、ウイルスは身の回りにいることが立証されている。国が指定する子どもの定期ワクチン接種は、必ず受けさせよう。
アウトドアでは長袖長ズボンを着用し、夕方の外出はなるべく避け、蚊や虫に刺されないようにしよう。虫除けとしては、イカリジンという成分がお勧め。私たちの身近にいて、たくさんの病気を媒介する蚊に対して、もっと厳重に警戒する心構えが必要だ。(常喜眞理 医師)
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