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医療・健康・介護のニュース・解説

なぜ台湾は新型コロナの市中感染を防げたのか…マスクと八つの「新しい生活スタイル」

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国民との十分なコミュニケーションを

 新型コロナウイルス対策は、一定の私権の制限を伴うため、「強権的な国家の方が、効率よく防疫ができるのではないか」といった意見を目にすることがある。しかし、民主主義体制の台湾は、今のところ感染拡大を食い止めるのに成功している。台湾は、都市封鎖を選ばずに、それと同等の効果を得た。その背景には、感染に関する情報提供の透明性と、市民の自主性を生かす方針が、政府への信頼感につながったことがある。中でも、マスクなどの防具を、医療従事者を最優先して配布したことは大変評価された。国民健康保険カードの番号から、病院が入管当局の保管する個人情報にアクセスできるようにするなど、私権を制限する一定の措置を取っているものの、目立った反発は起きていない。

 正確な情報を素早く伝え、公衆の信頼を確保すること。そのためには、徹底的に国民の目線に立って、情報発信をするという台湾CDCの政策が、今回は功をなしたと言える。しかし今後、日本でも台湾でも、第2波の出現や季節的な大流行が起きることは十分に考えられる。感染の長期化を見据えた対策と情報提供により、国民との十分なコミュニケーションを実現することで、健康で安心な生活を守ってほしい。

蔡小瑛(さい・しょうえい)

蔡小瑛(さい・しょうえい)
 台湾出身 梅花女子大学看護保健学部看護学科准教授
 台湾中山医学大学看護学部卒(理学士)。大阪大学人間科学研究科人間科学博士。専門分野は、異文化間心理学、精神看護学、看護倫理など。著書に「新しい国際理解教育を創造する」(共著・ミネルヴァ書房)、「看護倫理-よい看護・よい看護師への道しるべ」(共著・南江堂)などがある。

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