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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

野外にいたら顔から胸まで真っ赤に腫れ…原因は「服薬+日光」に

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ネックレスをした部分が赤く腫れて

 汗をかく季節は、金属アレルギーを発症することも多い。Uさんは、「ネックレスを着けていた首の部分が赤く腫れてしまった」と言って来院された。以前も同じ症状があり、しばらくアクセサリーを着けるのは控えていたが、症状がすっかり治ったので、大丈夫だと思ってつけたところ、また症状が出てしまったという。

 暑さと汗で溶けだした微量の金属が、体のリンパ球と反応し、アレルギー症状を生じることがある。症状が治っても、体にはアレルギー反応の記憶が残っており、その金属に触れるとまた症状を起こす。その際、よりひどい症状が表れることが多い。Uさんの場合も、以前に症状があり、今回はよりひどかったため、この金属アレルギーが疑われた。

 後日、調べてみると、やはりいくつかの金属にアレルギーがあった。念のため、歯科治療で金属を使っていないか聞いた。歯科治療にもしばしば金属が使われ、長年使用していると、口内炎や舌のただれや痛みが起きるほか、場合によっては全身にアトピー性皮膚炎のような発疹症状を生じることがあるからだ。幸いにも、Uさんは歯科治療で金属を使っていなかった。

根本的な治療法ない金属アレルギー

 金属アレルギーの検査は、一般的にパッチテストという方法を用いる。背中の肩甲骨の間に22種類ほどの金属の試薬をつけたシールを48時間貼って反応をみる。その間は、シャワーや入浴ができない。検査の結果、陽性と出た場合、残念ながら、今のところ根本的な治療法はない。一度、反応が出たら、その金属を避けるしかないのだ。いろいろな金属に反応してしまうと、使えるアクセサリーの種類が限られてつらいが、冷房のきいた室内などで数時間なら着用できる場合もあるので、かかりつけ医と相談してほしい。

 自分にはアレルギー症状がないという方でも、いつ症状が出るかはわからない。人ごととは思わず、夏場に汗をかく場所で長時間、アクセサリーを装着するのは避けた方がよい。(常喜眞理 医師)

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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