文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

森本昌宏「痛みの医学事典」

医療・健康・介護のコラム

発症半年~3年で指・足が変形…関節リウマチは早期発見でコントロールを

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

治療の中心は免疫抑制薬

 全身病であることから、関節の障害以外にも、全身 倦怠(けんたい) 感、微熱、筋肉痛、後頭部や背中の皮下結節(「リウマチ結節」と呼ぶ)、心外膜炎などを伴うこともある。なお、妊娠により症状が軽くなるとのデータが示されているが、この事実が、今後の原因究明の糸口となるやもしれない。

 病・医院の待合室に車いすが目立った半世紀前まで、治療は非ステロイド抗炎症薬(ロキソプロフェンなど)や副腎皮質ステロイド薬を用いて痛みを軽くすることが主目的であった。しかし、これらのみでは関節破壊を抑えるのが十分ではないこと、さらには副作用の問題もあり、現在、治療の中心となっているのはメトトレキサート(リウマトレックス)やエタネルセプト(エンブレル)、トシリズマブ(アクテムラ)といった免疫抑制薬である。その他にも、高価ではあるがインフリキシマブ(レミケード)などの生物学的製剤による劇的な効果が確認されている。しかし、インフリキシマブは副作用の発現率が高いことなど、クリアすべき課題は多い。

漢方薬で痛みの緩和

 ペインクリニックでは、これらの薬の使用に加えて、関節内への局所麻酔薬の注入、さまざまな神経ブロック療法、漢方薬の投与などにより、良い効果をあげている。漢方薬では、早期の痛みの緩和に「 麻黄(まおう) 」を含む「 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう) 」や「 麻杏ヨク甘湯(まきょうよくかんとう) 」、慢性期で免疫調整作用を期待する場合には 柴胡(さいこ) 剤の「 柴苓湯(さいれいとう) 」などを用いる。

 いずれにしても、関節リウマチでは、何よりも早期診断、早期発見が大切である。なお、現在では、適切な治療を行えば、痛みを含めてコントロールできる病気となりつつあることを付け加えておきたい。(森本昌宏 麻酔科医)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

morimoto-masahiro

森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

森本昌宏「痛みの医学事典」の一覧を見る

<PR情報>

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事