医療大全
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【みんなでスポーツ】女性アスリート(4)減量との闘い終え出産
「念願の子どもを授かることができ、幸せです」。ロンドン五輪女子レスリング48キロ級金メダリストの小原日登美さん(39)は、長男(5)と長女(3)の2児の母。だが、笑顔で語れるようになるまでには、減量と無月経との闘いがあった。
運動量に対して、摂取エネルギーが不足すると無月経になる。小原さんが無月経を経験したのは高校生の時。練習量が増えたのと、初めて減量に取り組んだ時期とが重なった。
勝ちたい思いから、体重を落として臨んだ大会で準優勝した。これが成功体験になり、「余計に食べなくなり、拒食ぎみになった」という。52キロあった体重は47キロまで減った。
公認スポーツドクターでレスリングなどの体重階級制の選手をサポートする宮本由記さんは、「計量を意識して無理な減量や過食を繰り返すと、摂食障害につながる。月経周期だけでなく健康にも悪影響を及ぼす」と警鐘を鳴らす。
異変に気づいた母親に産婦人科へ連れて行かれ、薬でホルモンを補い始めた。治療と体重を増やしたことで月経は戻り、大学時代は病院とも無縁で過ごせた。
当時は計量が試合の前日だったため、徐々に目標体重まで落として、計量をパスすると一気に体重を戻す方法をとった。試合が終わると、好物のパンやアイスクリームなどを好きなだけ食べる「ドカ食い」になりがちだった。
ロンドン五輪は体重調整に最も苦しんだ。55キロ級はライバルの吉田沙保里さん(37)が立ちはだかり、48キロ級に階級を下げたためだ。月経が止まった高校時代とほぼ同じ。五輪開催前の2012年1月に無月経になった。
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