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宋美玄のわーままクリニック

医療・健康・介護のコラム

送迎よりも大変なオンライン授業のお世話…3か月の休校で分かった「集団教育をする意味」

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 新型コロナウイルスの 蔓延(まんえん) はいったん落ち着き、緊急事態宣言が解除されたため、6月から徐々に再開する学校が多いようです。わが家の小学3年生は3月初めから3か月間、幼稚園年中児は3月下旬から2か月半という長期間、自宅で家族のみと過ごしました。ご家庭によっては、保護者が家事に専念していたり、テレワークなどで一日中、在宅されているところも多いかと思いますが、わが家は夫婦ともに医療に従事しているため、子供たちは、昼間はおばあちゃんと過ごしています。散歩には出かけても、ほとんどの時間は自宅でテレビを見たり、本を読んだり、遊んだり、けんかしたり、たまにお手伝いをしたりという生活でした。都会のマンション暮らしのため、庭で何かをすることもできません。おそらく、多くのご家庭もそんなに大差はないのではないでしょうか。

オンライン授業にも親が付きっきりで…

 ここまで休校期間が長くなると、学習面が心配されます。休校が始まったのが3月だったので、年度末の総復習は、家庭でフォロー可能だったと思います。しかし、新年度に入ると、通常授業ができないことの弊害を痛感した方が多かったのではないでしょうか。

 わが家では、娘が小学3年生になり、理科と社会が始まりました。学校から指示や教材配布があるとはいえ、今までになかった教科の取っかかりは、自宅学習だとなかなか難しいです。ほとんど準備期間がないままの休校で、各学校の先生方も、学習の遅れを最小限にするために工夫し、労力を費やされていることと思います。オンライン教育が導入されている学校もありますが、今までの対面授業の準備とは、必要な環境や知識もかなり異なることでしょう。正直、まだまだ手探りの学校が多いのではないでしょうか。

 わが家でも、娘の習い事や学習塾で、オンライン授業や動画配信が始まっています。全く学びがストップするよりははるかにいいのですが、端末のセッティングや授業中の操作など、保護者がほとんど付きっきりになります。これに比べれば、通常の対面授業への送迎の手間の方が楽に思えますし、学習効率もいいのではないかとの印象です。わが家の場合は、私が仕事から帰宅してからしかフォローできないので、夕食後に各種の配信動画を見せ、プリントなどの課題をさせるのですが、消化しきれなかったり、しばしば翌日に持ち越したりしてしまいます。

環境による教育格差が心配

 就学している子供は1人だけなので、まだなんとかなっている……というか、大きく出遅れてはいないと信じたいのですが、2人も3人もいらっしゃるご家庭の保護者の負担はいかばかりかと思ってしまいます。平時の集団教育よりも、さらに家庭環境や保護者のフォローによって教育格差が生じてしまうのではないかと感じました。

 また、保護者の手助けだけでなく、安定して動画を双方向に配信できるインターネット環境やパソコン、タブレットなどの電子機器、そして遠隔学習に合った良質な教育コンテンツなど、充実した遠隔教育のために必要なものは多岐にわたります。自治体によってはタブレットを生徒全員に配るところもあるようですが、それだけで解決するものではありません。新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波は言うまでもなく、そのほかの多様な事態に対応すべく、遠隔教育のインフラを整えていただきたいです。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。
1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくは こちら

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