メディカルトリビューン
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”食べ合わせ”が認知症発症と関連 フランス・症例対照研究
食事摂取と認知症との関連性についてはさまざまな研究が行われており、摂取量に関する検討もその1つだ。フランス・University of BordeauxのCécilia Samieri氏らは、食材の食べ合わせと認知症の関連について大規模コホートで症例対照研究を実施。食べ合わせによっては認知症の発症リスクが高まるとの研究結果を、Neurology( 2020年4月22日オンライン版 )に報告した。
平均年齢78歳を解析
認知症予防に有効な食事内容については、さまざまな研究が行われている。例えば、健康的な食事として知られる地中海食や、高血圧の予防と管理が目的のDASH食と認知症予後のリスク低下との関連が報告されている。
Samieri氏らは今回、フランスボルドー地方の3都市在住で65歳以上の高齢者9,294人(ブルゴーニュ市2,104人、ディジョン市4,931人、モンペリエ市2,259人)が対象の前向きコホート研究3C studyのデータを用い、症例対照研究を実施。12年間の追跡期間中に認知症を発症した症例群(209人、平均年齢78歳)と、年齢、性、教育レベルをマッチさせた認知症を発症していない対照群(418人)を抽出し、食事内容と認知症発症との関連を解析した。
なお食事内容は、3C study登録後、食物摂取頻度調査票(FFQ)と栄養士による対面調査を行い、1日3食および間食時に摂取する食事の量、食品・飲料・アルコール飲料などの摂取頻度を評価した。主菜と副菜などの食べ合わせをネットワーク化し、認知症発症との関連を両群で比較した。
食肉加工品を中心にジャガイモ、アルコール飲料、菓子類でネットワークを形成
解析の結果、摂取カロリーに両群で有意差はなかった(症例群1,550kcal vs.1,540kcal)ものの、食事内容は大きく異なっていた。
症例群の食品ネットワークはハム、ソーセージ、テリーヌなどの食肉加工品を中心に、ジャガイモ・澱粉質の食品、アルコール飲料、菓子類などで形成されていた。一方、対照群では野菜、果物、魚介類など多様でより健康的な食品ネットワークが見られた。
Samieri氏らは、認知症の発症予防には食事内容を評価することも重要だとしている。(田上玲子)
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