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在宅訪問管理栄養士しおじゅんのゆるっと楽しむ健康食生活

医療・健康・介護のコラム

在宅生活で太っちゃった? 今こそ、必要な栄養量を確かめましょう

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 最近、「リモートワークや休校で動かないせいか、太ってきた」という声がちらほら聞こえてきます。知り合いの内科医は、「糖尿病など、生活習慣病が悪化している人も増えてきている」と話していました。新型コロナ感染の拡大前には、通勤通学で毎日歩き、1~2階の移動なら階段を使っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 私は20代半ばのころ、自宅のある埼玉県の森林公園駅(東武東上線)から都内の虎ノ門駅(東京メトロ銀座線)まで、片道2時間の電車通勤をしていました。池袋で乗り換え、地下鉄を乗り継ぎ、駅から10分ほど歩いてやっと職場に着きます。電車の中ではほとんど座れないので、両足をふんばりながら電車の揺れに長時間耐えるというのは、まるでトレーニングをしているようでした。

 リモートワークにより、通勤や仕事中の活動がほぼなくなってしまったことで、日常生活で消費するエネルギー量がかなり低下してしまっている方が、「いままでと同じ食事」を続けていれば、太ってしまうのは当然です。「いままでと同じ」であればまだしも、「いままでより食べちゃった」方は、通勤や通学が再開したときに、同僚や友達から「太ったね」と言われてしまうかもしれません。

通勤・通学と在宅、エネルギー必要量の差は?

在宅生活で太っちゃった? 今こそ、必要な栄養量を確かめましょう

ウォーキング中に撮影した新緑のイチョウ。芽吹いたばかりで、秋とは違ったみずみずしさを感じます

 例えば、平均的な身長で体重が約75キロ・グラムの男性会社員Aさんがいたとしましょう。仮に、通勤からリモートワークになったことで、身体活動のレベルが「ふつう」から「低い」に変化したとして、どの程度の「エネルギー必要量の差」があるのか計算してみます。

 「日本人の食事摂取基準 2020年版」による基礎代謝基準値を用いて、推定エネルギー必要量を求めたら、Aさんが一日に必要とする基礎代謝量(※)は 1687 キロ・カロリーになりました。この数字に「身体活動レベル」を乗じて、「推定エネルギー必要量」を求めます。「日本人の食事摂取基準」では、わかりやすく3段階の「身体活動レベル」が設定されています(表1)。なお、基礎代謝基準値について、ここで説明すると、とても複雑になってしまいます。厚生労働省の報告書で詳しく説明されていますので、興味のある方はコラムの最後に記したリンクからご覧ください。 ※基礎代謝量とは、覚醒状態で必要な最小限のエネルギーのこと

【表1】身体活動レベル別に見た活動内容と活動時間の代表例

在宅生活で太っちゃった? 今こそ、必要な栄養量を確かめましょう

(「日本人の食事摂取基準 2020年版」より一部改変)

例)体重75キロ・グラムの40代男性
「身体活動レベル」がふつうの場合は
1687×1.75=2952.25(キロ・カロリー)
「身体活動レベル」が低い場合は
1687×1.5=2530.5(キロ・カロリーl)
となりました。
2952-2530=422(キロ・カロリー)
身体活動レベルの高さによる差は、約400キロ・カロリーになります。

 あくまで計算上の数字ですが、性別や年齢ごとの「必要エネルギー量の差」を意識して食生活と日常生活を工夫してみるのも一つです。興味のある方は「体重あたりの推定エネルギー必要量の表(表2)」から「推定エネルギー必要量の差」を計算してみてください。

【表2】体重あたりの推定エネルギー必要量

性別 男性 女性
身体活動レベル 低い ふつう 高い 低い ふつう 高い
18~29歳 35.5 41.5 47.4 33.2 38.7 44.2
30~49歳 33.7 39.3 44.9 32.9 38.4 43.9
50~64歳 32.7 38.2 43.6 31.1 36.2 41.4
65~74歳 31.3 36.7 42.1 30.0 35.2 40.4
75以上 30.1 35.5 29.0 34.2

(日本人の食事摂取基準2020年版より一部改変)

 自分の体重に、上記の年齢の身体活動レベルに当てはまる数字をかけると、推定エネルギー必要量を求めることができます。(注:極端なやせや高度肥満の方は、この計算は適しませんのでご注意ください)

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塩野崎顔2_100

塩野崎淳子(しおのざき・じゅんこ)

 「訪問栄養サポートセンター仙台(むらた日帰り外科手術WOCクリニック内)」在宅訪問管理栄養士

 1978年、大阪府生まれ。2001年、女子栄養大学栄養学部卒。栄養士・管理栄養士・介護支援専門員。長期療養型病院勤務を経て、2010年、訪問看護ステーションの介護支援専門員(ケアマネジャー)として在宅療養者の支援を行う。現在は在宅訪問管理栄養士として活動。

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