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医療・健康・介護のコラム

「健口」で健康(13)歯の漂白 通院と自宅処置必要

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  このシリーズでは、予防歯科学が専門の大阪大歯学部教授、天野敦雄さんに聞きます。(聞き手・佐々木栄)

「健口」で健康(13)歯の漂白 通院と自宅処置必要

歯のホワイトニングをする前(左)と後(天野さん提供)

 口角を上げたスマイルラインから、真っ白な歯がこぼれる。白い歯は憧れの的ですが、実は健康な歯の色はやや黄ばんでいます。通常より黄ばみが強いケースや、加齢に伴う黄ばみは減らすことができます。今回は歯を白くする「ホワイトニング」のお話です。

 歯を白くしたいと歯科医院を訪れたC子さん(25)。その日のうちにすぐ白くなると思っていたら、何度も通院が必要なうえ、自宅でも漂白処置が必要と知って断念しました。1回の診察だけでは終わらないのです。

 ホワイトニングは、過酸化水素や過酸化尿素などの漂白剤を使って白くします。歯科医院で行う「オフィスブリーチ」は、漂白剤のペーストを歯の表面に塗り、光線を当てます。1回あたり1時間程度で、3~6回の通院が必要となります。効果には個人差があり、一時的に知覚過敏を生じることもあります。

 自宅で取り組む「ホームブリーチ」は、漂白ゲルを歯型で作った専用のマウスピースの中に入れ、歯にかぶせます。1日2時間の装着を2週間続けます。穏やかな効果ですが、透明感のある自然な白さが得られます。

 注意点は、漂白処置によって歯の表面を保護する被膜が一時的にはがされ、歯の表面が荒れた状態になることです。フッ素を塗って保護しますが、酸性食品に触れると歯が溶けやすく、カレーや赤ワインなど色の濃い物だと着色する恐れがあります。歯科医院で処置した後は24時間以内、ホームブリーチの場合は実施期間中、食べ物に気をつけましょう。

【略歴】
 天野 敦雄(あまの あつお)
 大阪大学歯学部教授。高知市出身。1984年、大阪大学歯学部卒業。ニューヨーク州立大学歯学部博士研究員、大阪大学歯学部付属病院講師などを経て、2000年、同大学教授。15年から今年3月まで歯学部長を務めた。専門は予防歯科学。市民向けの講演や執筆も多く、軽妙な語り口・文体が好評を得ている。

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