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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

医療・健康・介護のコラム

休校、在宅勤務が終わったら…早起きが苦痛な人に贈る「体内時計の直し方」

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ステイホームで崩れた睡眠リズムを正すには?

 ところがステイホームでは、生活習慣の変化によって睡眠リズムを崩しがちです。典型的な落とし穴とその対策をご紹介します。

 第1は、アラームをセットする時刻が遅れることです。通勤時間分だけでも、ゆっくり寝て構わないだろうと思いがちですが、そうではありません。寝坊をして午前中の光を浴びるタイミングが遅れると、体のリズム全体が遅れてしまいます。在宅勤務や休校のおかげで睡眠不足が解消されたら、そこで寝坊生活は終了し、自粛解除後の出社や登校の時刻を見据え、以前と同じ時刻にアラームをセットしましょう。

 第2は、外出の自粛です。午前中に戸外に出ないのも、体内時計が遅れる原因となります。先にも触れたように、起床時刻から4、5時間以内に太陽光のような強い光を浴びることが、体内時計の遅れを取り戻す最も効率的な方法だからです。普段は通勤や登校のときに太陽光を浴びることができますが、ステイホームではその機会が減ってしまいます。とはいえ、不要不急の外出自粛が求められている間は、気軽に散歩もできません。そのようなときは、窓辺で直射日光を避けつつ、視線を戸外に向けてください。屋内にいても、かなり明るい光が目に入ってきます。青色光(ブルーライト)は体内時計に作用しやすいので、青空を眺めるのがよいでしょう。

深夜のパソコン、寝酒はNG!

 逆に夜間の光は、体内時計の時刻を遅らせる(夜型にする)作用があります。「Zoom飲み会」がはやっていますが、パソコンのように比較的大きな液晶画面を、30cmほどの距離で眺めていると、それなりに強いブルーライトが目に入り、夜型効果を及ぼすことが分かっています。また、深夜になればなるほど、光の夜型効果は強くなります。「飲み会をほどほどで切り上げる」「パソコンなどの画面の輝度を下げる」などの工夫で、夜型効果を弱めることができます。

 ステイホームが始まってから、平日、休日にかかわらず、ずるずると晩酌や寝酒を続け、飲酒量が増えている人が多くなったと指摘されています。アルコール依存症も心配ですし、寝酒を続けることで睡眠の質が低下したり、寝酒なしには眠れなくなったりしたケースも報告されています。お酒もほどほどに。

 みなさん、ステイホームを頑張りつつも、睡眠や生活リズムを崩さないように気をつけましょう。(三島和夫 精神科医)

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。著書に『不眠症治療のパラダイムシフト』(編著、医薬ジャーナル社)、『やってはいけない眠り方』(青春新書プレイブックス)、『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(共著、日経BP社)などがある。

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